[東京 1日 ロイター] - 総務省が1日発表した6月の東京都区部消費者物価指数(CPI)は、指標となる「生鮮食品を除く(コアCPI)」指数が前年比2.1%上昇した。エネルギー価格の上昇が続くなか、食品の価格上昇が指数を押し上げ、プラス幅は2015年3月以来の高水準となった。消費税率引き上げの影響を除くと1992年11月以来の伸びだった。ロイターが集計した民間予測中央値と一致した。
<カレー18.2%、輸入牛肉14.8%上昇>
物価の基調的な動きを示すとされる「生鮮食品とエネルギーを除く(コアコアCPI)」指数は同1.0%上昇。生鮮食品やエネルギーなどをすべて含む「総合指数」は同2.3%上昇した。
指数の内訳は、生鮮食品を除く食料が前年比3.1%上昇し、5月の2.5%からプラス幅が拡大した。前年比で調理カレーが18.2%、焼肉(外食)が5.0%、せんべい10.7%、あんパン8.5%、輸入牛肉が14.8%上昇した。
エアコンや冷蔵庫など家庭用耐久財も同9.1%上昇し、5月の7.3%から伸びた。
エネルギーは前年比21.7%と大幅に上昇したものの、プラス幅は5月の22.3%から縮小した。電気代のプラス幅がわずかに縮小した。
<景気悪化なら冬には2%割り込みも>
農林中金総合研究所の南武志・主席研究員は「食品以外の日用品も価格転嫁の動きが続いており当面コアCPIは2%台の動きが続く」とみる。一方、米欧中銀が景気を犠牲にしてもインフレ退治を優先し利上げを進めているため、「冬には日本国内も景気悪化により価格転嫁が難しくなり、2%を割り込む可能性も考えられる」と指摘している。