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ベネ・ワン Research Memo(7):会員ネットワークを活用したシェアリングエコノミーを創造する

発行済 2016-12-09 16:12
更新済 2016-12-09 16:33
ベネ・ワン Research Memo(7):会員ネットワークを活用したシェアリングエコノミーを創造する
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■事業戦略

(2) CtoCとCtoBビジネスの構想

欧米を中心に、シェアリングエコノミー(共有型経済)が拡大している。
個人が保有する遊休資産の貸出しを仲介する新しいサービスである。
宿泊施設や自動車、タクシーなどが代表的なものになる。
2009年に設立された自動車配車ウェブサイトと配車アプリを提供する米国Uberは、現在、世界70ヶ国・地域の450都市以上でサービスを展開している。
その時価総額はおおよそ7兆円と目されており、GMのそれを超える。
タクシーの配車に加え、一般人が空き時間と自家用車を使って人を運ぶという仕組みを構築した。
運転手と顧客がお互いを評価する相互評価を実施している。
従来のビジネスモデルは、タクシー会社が顧客に輸送機能を提供するBtoCのビジネスになる。
Uberの一般人が遊休資産と時間を他の一般人に役務サービスとして提供するシェアリングエコノミーは、CtoCの形態を取る。


ベネフィット・ワン (T:2412)が目指すシェアリングエコノミーは、CtoCとCtoBの形態を取る。
個人同士が遊休資産の売り買い・貸し借りをするプラットフォームをつくり、提供予定の社員向けポータルサイト「Benefit PORTAL」(仮称)のメニューに加える。
まず同一企業内の社員同士によるCtoCからスタートし、同一企業からグループ企業へ、さらにすべての同社会員へと対象を広げていく。
顔の見えるCtoCから始めることで、サービス利用の心理的ハードルを下げることも狙いだ。
フリマアプリ等を展開している他社との違いとして、同社では取引ごとの手数料をとらないことや、同社がCtoCに先立ちBtoB取引を行う企業であることが挙げられる。
同社会員として信用力が一定水準担保されているため、会員同士の取引でも従来の見ず知らずの他人との取引と比べ安心感が高いことは、同社の大きな強みといえよう。


シェアリングエコノミーの対象はモノだけではなく、時間・知識などの労働力へ拡大する。
労働力の場合、買い手は個人よりも圧倒的に企業が多くなるため、CtoCよりもCtoBの側面が強くなる。
シェアリングエコノミーのCtoBは、同社が働き方改革で推し進めているものと同様の形態となる。
標準化した定型業務を外部委託する仕組みを、他の企業にも応用する。
BPO先となる個人は企業の垣根を越えて知識・時間などの労働力を提供し、対価を得ることができる。
また、企業は人手不足の解決として、社員以外の個人を源泉とした労働力を享受できる。
この構造的な働き方改革は、同社にとどまらず、780万人の会員ネットワークを生かして広く企業に浸透させることになる。
CtoCとCtoBの両方のシェアリングエコノミー・サービスを提供している企業はなく、同社は唯一無二の存在となる可能性がある。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

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