■企業特徴
(1)収益モデル及び財務的な特徴
一般の事業会社の売上高に当たる営業収益は、住宅ローンの利用者(債務者)によって支払われる保証料(収入保証料)によって構成され、基本的には保証債務残高の伸びに連動するものである。
なお、保証料は住宅ローンの実行時に一括前払いにて受領するが、前受収益(負債勘定)に一度プールした上で、返済期間や残高に応じて漸次的に収益認識していく仕組みとなっている。
したがって、年度決算における1件ごとの収益貢献は非常に小さいが、保証債務残高の積上げが安定的な収益基盤となるストック型の収益モデルと言える。
また、保証料は、保証金額に対して保証料率を掛けて算出されるが、保証料率については、債務者の返済能力等に応じて同社独自の5段階(0.07%から0.30%の範囲)で決められている。
一方、費用構造については、与信関連費用の比重が大きいところに特徴がある。
与信関連費用は、大きく「債務保証損失引当金繰入額」と「貸倒引当金繰入額」によって構成されるが、そのうち、「債務保証損失引当金繰入額」については、保証する住宅ローンの返済が滞ること(デフォルトの発生)により、全国保証 (TOKYO:7164)が代位弁済を行うリスクをあらかじめ合理的に見積もって引き当てるものである。
保証債務残高に一定の引当率を掛けて算出されるが、引当率は過去3年間のデフォルト率の実績から導き出される。
一方、「貸倒引当金繰入額」は、代位弁済が発生した後の求償債権※に対するリスクを合理的に見積もったものである。
したがって、いずれにしてもデフォルトの動向が同社の損益に大きく影響することとなる。
※求償債権とは、代位弁済を行った債務者に対して返還を求める権利。
また、財務面の特徴としては、一括前払いにて受領した保証料が「前受収益」として負債勘定にプールされていることと、その資金の大部分が「現金及び預金」に計上されていることが挙げられる。
一見すると資金運用効率が低いとの見方もできるが、前受収益は将来の収益源であるとともに、代位弁済や繰上げ返済があった場合の返戻に備える必要のほか、提携金融機関に対して財務的な信用力を裏付ける目的などから、保守的かつ流動性を重視した運用を行う方針としている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
なお、保証料は住宅ローンの実行時に一括前払いにて受領するが、前受収益(負債勘定)に一度プールした上で、返済期間や残高に応じて漸次的に収益認識していく仕組みとなっている。
したがって、年度決算における1件ごとの収益貢献は非常に小さいが、保証債務残高の積上げが安定的な収益基盤となるストック型の収益モデルと言える。
また、保証料は、保証金額に対して保証料率を掛けて算出されるが、保証料率については、債務者の返済能力等に応じて同社独自の5段階(0.07%から0.30%の範囲)で決められている。
一方、費用構造については、与信関連費用の比重が大きいところに特徴がある。
与信関連費用は、大きく「債務保証損失引当金繰入額」と「貸倒引当金繰入額」によって構成されるが、そのうち、「債務保証損失引当金繰入額」については、保証する住宅ローンの返済が滞ること(デフォルトの発生)により、全国保証 (TOKYO:7164)が代位弁済を行うリスクをあらかじめ合理的に見積もって引き当てるものである。
保証債務残高に一定の引当率を掛けて算出されるが、引当率は過去3年間のデフォルト率の実績から導き出される。
一方、「貸倒引当金繰入額」は、代位弁済が発生した後の求償債権※に対するリスクを合理的に見積もったものである。
したがって、いずれにしてもデフォルトの動向が同社の損益に大きく影響することとなる。
※求償債権とは、代位弁済を行った債務者に対して返還を求める権利。
また、財務面の特徴としては、一括前払いにて受領した保証料が「前受収益」として負債勘定にプールされていることと、その資金の大部分が「現金及び預金」に計上されていることが挙げられる。
一見すると資金運用効率が低いとの見方もできるが、前受収益は将来の収益源であるとともに、代位弁済や繰上げ返済があった場合の返戻に備える必要のほか、提携金融機関に対して財務的な信用力を裏付ける目的などから、保守的かつ流動性を重視した運用を行う方針としている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)