[フランクフルト 22日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのナーゲル独連銀総裁は22日、欧州では労働力が不足しており、抜本的な改革が必要とした。このような改革がなければ労働市場の過熱がインフレを持続的に押し上げ、ECBによる物価圧力の抑制が難しくなると述べた。
講演で「金融政策を巡る環境の変化は労働市場の逼迫が持続することによって生じる可能性がある。労働者の交渉力が強まることで賃金が上昇し、インフレ圧力が持続する可能性がある」と指摘。各国政府はパートタイム雇用の女性がより長く働けるよう、より強力なインセンティブを与えなければならず、そのためには育児面での改善が必要としたほか、高齢者にも働くインセンティブを与え、定年引き上げも検討すべきと主張した。
現在の金融政策については、政策金利はまだピークに達しておらず、いったんピークに達すれば、ECBが高インフレの解消を確信するまで長期にわたって高水準を維持しなければならないと改めて強調。「インフレを打破するには精力的な行動と忍耐が必要だ」とした。