[東京 24日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、前営業日比349円16銭高の2万7453円48銭と、反発して取引を終えた。米ハイテク株高を受けて小高く寄り付いた後、次期日銀総裁候補の植田和男氏が金融緩和を継続する趣旨の発言をしたことが伝わると上昇に弾みがついた。銀行株は軟調だった。
日経平均は前営業日比40円高と小反発で寄り付いた後、徐々に上げ幅を拡大。午前9時半過ぎに衆院で植田候補の所信聴取が始まり、現在の金融政策について「副作用をもたらしているが、経済・物価情勢踏まえると必要かつ適切な手法」と発言すると当面は金融緩和が継続するとの思惑が広がった。日経平均は一時361円高の2万7465円90銭に上昇した。
植田氏の所信を巡って市場では「もともと緩和継続の考えが伝わっており、想定の範囲内と言える。とはいえ、市場は身構えていた面もあったため安心感が株高につながった」(しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用本部長)との声が出ている。
イベントの通過に伴い「少なくとも日銀サイドの要因で上値を抑える懸念は、和らいだとみていいだろう」(藤原氏)という。株価の上昇は午後には一服し、高値圏でのもみ合いが続いた。
市場の関心は再び米国の金融政策や景気に移る。目先では今晩、米連邦準備理事会(FRB)が重要視する1月コアPCE(個人消費支出)デフレーターなどが発表される。
米半導体大手エヌビディアが22日に発表した決算が好調だったことなどを支えに半導体関連株やハイテク株がしっかりで相場をけん引し、植田氏の発言後も上値を伸ばした。東京エレクトロンが7%超の大幅高。TDKやSMCも堅調だった。
一方、緩和修正への思惑が支えとなっていた銀行株は軟調に転じ、三菱UFJ FGは1%安。祝日前に堅調だった医薬品も弱く、第一三共は2%安だった。
TOPIXグロース指数は0.99%高、同バリュー指数は0.36%高で、グロース株の優位が目立った。
TOPIXは0.67%高の1988.40ポイント、東証プライム市場指数は前営業日比0.67%高の1023.12ポイントで取引を終了した。プライム市場の売買代金は3兆0339億9100万円だった。東証33業種では、値上がりは海運業や電気機器、不動産業など24業種で、値下がりは銀行業や医薬品、鉄鋼など9業種だった。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1333銘柄(72%)、値下がりは441銘柄(24%)、変わらずは61銘柄(3%)だった。