[フランクフルト 4日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は金融機関に宛てた4日付の書簡で、ユーロ圏内の銀行が大規模な不良債権を軽視していると指摘し、行動を求めた。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による景気後退(リセッション)を受け、欧州では多くの企業がロックダウン(都市封鎖)措置の中で収入が低迷し、金融機関への返済に苦慮している。
政府の融資保証や返済一時停止措置を受け、銀行はこうした不良債権の一部を正常な債権として分類できるが、これらの措置が終了した際に銀行は「崖効果」に陥る恐れがある。
ECBで銀行監督を担当するエリザベス・マコー氏は「多くの銀行は、パンデミックによる一時的財政難以外の理由で債務者が返済できない兆候を特定しようと十分に取り組んでいない」と指摘した。
ECBは、経済再開の態勢が整い企業が資金調達を必要とするに当たり、銀行のバランスシートが大幅に悪化し、資金調達をできなくなることを懸念している。
現在は、銀行に対し「返済延期の目標化とタイムリーな債務再編」を要請。また、不良債権見直しの先延ばしはバランスシートの問題になる恐れがあり、控えるよう促した。 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20201204T165258+0000