29日の日経平均は小幅高。
15.64円高の20664.64円(出来高概算11億8000万株)で取引を終えた。
決算が本格化する中、28日の米国市場では半導体のエヌビディアが18年11月-19年1月期の売上高見通しを引き下げ13%を超える大幅下落。
建機大手のキャタピラーは18年10-12月の1株利益と19年12月通期の1株利益見通しが市場予想を下回り、9%を超える下落となった。
ここ最近の順調な決算のほか、米中通商協議の進展期待などからアク抜けも期待されていたが、改めて決算に対する慎重姿勢が強まった。
これにより続落で始まった日経平均は、その後も下げ幅を広げる展開となり、前場半ばには20406.22円と、下落幅は200円を超える局面がみられた。
その後も安値圏でのこう着が続いていたが、日銀のETF買い入れ観測のほか、中国が景気対策の規模を拡大していると伝えられていることもあり、じりじりと下落幅を縮め、後場半ばにはプラス圏を回復した。
大引けにかけても戻り基調が続いており、結局は今日の高値圏で取引を終えた。
東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1100を超えており、全体の過半数を占めている。
指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ (T:9983)、ソフトバンクG (T:9984)、ユニファミマ (T:8028)がけん引。
セクターでは、電力ガス、水産農林、パルプ紙、陸運、空運、不動産、食料品が上昇。
半面、石油石炭、機械、電気機器、証券、ゴム製品が冴えない。
日経平均は20400円処での下げ渋りがみられる中、大引けにかけては切り返す展開となり、結局は20500円を挟んでのもち合いとなった。
セクターで見ても前日に売られていた電力ガスが上昇するなど、リバランスの商いが中心とみられる。
日経平均は切り返したとはいえ、エヌビディアなど決算のマイナス面を織り込んだといった見方は厳しいだろう。
29日の米国市場ではAMDの決算が予定されているが、エヌビディアの影響から大きく下げていたこともあり、織り込み済みともとれる動きをみせてくるようだと、やや安心感につながると考えられる。
アップルについても警戒感が強いこともあり、市場の関心が集まっている。
その他は引き続き米連邦公開市場委員会(FOMC)や米中両政府が開く閣僚級の貿易協議など重要イベントの結果待ちとなろう。
その中で主力処はインデックス売買の影響を受けやすく、個人主体の資金は中小型株に向かいやすい。
資金の逃げ足は速いと考えられるが、決算が評価される企業への資金流入は目立っており、決算を手掛かりとした日替わり物色が活発化しよう。