[ニューヨーク 29日 ロイター] - 米検察当局は29日、ロシア人富豪オレグ・デリパスカ氏(54)を刑事訴追したと明らかにした。ロシアのウクライナ侵攻を受けて米国が発動した制裁への違反行為があったという。
司法省の説明によると、デリパスカ氏が3件の高級不動産物件を維持するために米国の金融システムを利用したことや、1人の女性を雇ってカリフォルニア州の音楽スタジオを購入させたことが制裁違反に該当した。また同氏がガールフレンドに自身の子どもを出産させるためにロシアから米国に渡航させたのも違反行為という。
ガーランド司法長官は声明で「司法省はわが国の法を破り、国家安全保障を脅かした人物にはその責任を負わせる努力をすると国民に約束してきた。本日の訴追はこの約束を守っていることの証明になっている」と述べた。
デリパスカ氏の弁護士はコメントを拒否した。
同氏は2018年、ロシアによる16年の米大統領選干渉に関与した疑いでロシア政府高官らとともに制裁対象になったオリガルヒ(新興財閥)の1人。フォーブス誌に基づく総資産は28億ドルで、ロシアアルミ大手ルサールの創業者として知られている。