■決算動向
(1)2015年3月期の決算
5月13日に発表された大幸薬品 (TOKYO:4574)の2015年3月通期決算は、売上高が前期比9.7%減の8,978百万円、営業利益が同1.2%減の2,559百万円、経常利益が同3.5%増の2,776百万円、当期純利益が同1.3%増の1,770百万円となった。
売上高と営業利益は減少したものの、経常利益と当期純利益は過去最高を更新した。
セグメント別の売上高は「正露丸」「セイロガン糖衣A」「その他医薬品」で構成される医薬品事業が前期比3.3%増の5,753百万円、衛生管理製品「クレベリン」シリーズの製造・販売を展開する感染管理事業が同26.5%減の3,204百万円。
医薬品事業は中国や香港など海外市場をけん引役として増収となっている。
日本の医薬品人気を背景に中国市場の売上高が香港市場を初めて上回るなど、近年、中国市場における販売強化を進めた成果が見られ、ポテンシャルを感じさせる数値である。
感染管理事業は2014年3月期末における消費者庁関連報道の影響で第1四半期(2014年4-6月期)に返品が増加したことに加え、前第1四半期(2013年4-6月期)に中国で鳥インフルエンザ報道を背景とした特需が発生した反動、第4四半期(2015年1-3月期)の季節性インフルエンザ早期収束もあって減収での着地となっている。
ただし、第2四半期(2014年7月-9月)以降は好調に推移しており、第3四半期(2014年10月-12月)の売上高が前年同期を上回り過去最高になるなど、消費者庁からの措置命令によって結果的に類似品の淘汰が進み、信頼感の高い同社製品に対するドラッグストアなどからの引き合いが強まっているようだ。
セグメント利益は医薬品事業が前期比1.7%増の2,314百万円、感染管理事業が同17.0%減の1,394百万円となった。
医薬品事業は前述の通り、中国や香港など海外市場の増収が寄与した。
また、円安効果による利益率の改善も奏功している。
感染管理事業は減収で利益額も減少となったものの、返品調整引当金戻入益259百万円もあって利益率が向上している。
(執筆:フィスコアナリスト)
売上高と営業利益は減少したものの、経常利益と当期純利益は過去最高を更新した。
セグメント別の売上高は「正露丸」「セイロガン糖衣A」「その他医薬品」で構成される医薬品事業が前期比3.3%増の5,753百万円、衛生管理製品「クレベリン」シリーズの製造・販売を展開する感染管理事業が同26.5%減の3,204百万円。
医薬品事業は中国や香港など海外市場をけん引役として増収となっている。
日本の医薬品人気を背景に中国市場の売上高が香港市場を初めて上回るなど、近年、中国市場における販売強化を進めた成果が見られ、ポテンシャルを感じさせる数値である。
感染管理事業は2014年3月期末における消費者庁関連報道の影響で第1四半期(2014年4-6月期)に返品が増加したことに加え、前第1四半期(2013年4-6月期)に中国で鳥インフルエンザ報道を背景とした特需が発生した反動、第4四半期(2015年1-3月期)の季節性インフルエンザ早期収束もあって減収での着地となっている。
ただし、第2四半期(2014年7月-9月)以降は好調に推移しており、第3四半期(2014年10月-12月)の売上高が前年同期を上回り過去最高になるなど、消費者庁からの措置命令によって結果的に類似品の淘汰が進み、信頼感の高い同社製品に対するドラッグストアなどからの引き合いが強まっているようだ。
セグメント利益は医薬品事業が前期比1.7%増の2,314百万円、感染管理事業が同17.0%減の1,394百万円となった。
医薬品事業は前述の通り、中国や香港など海外市場の増収が寄与した。
また、円安効果による利益率の改善も奏功している。
感染管理事業は減収で利益額も減少となったものの、返品調整引当金戻入益259百万円もあって利益率が向上している。
(執筆:フィスコアナリスト)