■新中期経営計画「プロジェクト“S”」
1. 新中期経営計画の概要
グローセル (TYO:9995)は2019年5月に、2020年3月期〜2022年3月期の3ヶ年中期経営計画「SSG 2021」を発表していたが、コロナ禍とルネサスの商流移管により数値目標(2022年3月期営業利益1,610百万円)は未達に終わった。
しかし会社は「大型D-inの獲得と基本戦略の推進という定性的な目的は達成できた」と総括しており、まずまずの成果であったと言えそうだ。
これを受けて同社では、新たな中期経営計画として「プロジェクト“S”」(2023年3月期〜2025年3月期)を発表した。
この“S”のネーミングは、「SemiconductorとSensorの販売拡大を通じて、Survival競合に勝ち抜き、Sustainableな社会実現へ貢献するSuperiorな会社になる」ことを目標としていることに由来する。
(1) 基本方針
基本方針として、以下の3つを掲げている。
・創造と革新:優れた製品や技術の創出による新たな価値の提供、社会課題解決と顧客価値の創造
・あるべき姿:持続可能な社会実現への貢献、技術商社として信頼され選ばれる企業へ
・あるべき姿に向けて:サステナビリティ経営、高付加価値、収益重視、戦略的D-inの徹底推進
(2) 数値目標
数値目標としては、2025年3月期に売上高800億円、営業利益率2.4%、営業利益19.2億円、ROE5.9%を掲げている。
またこの時点での製品別売上高は、ルネサス/ABUが466億円、H&CSBが249億円、「STREAL」が85億円を計画している。
会社は「さらにその2年先の2027年3月期には売上高1,000億円、営業利益30億円を目指す」と述べている。
2. 主な活動指針
主な活動指針として、「経営基盤の強化」「売上・事業の拡大」「サステナビリティ経営の実践」を掲げており、以下がその詳細である。
(1) 経営基盤の強化
以下のような施策を実行する。
a. 在庫圧縮による財務体質強化(ROAの改善)
・一般在庫の管理適正化
・メーカー保守在庫の販売促進
b. ブランデイング強化(認知度向上)
・メディア媒体・展示会出展の多様化
・ホームページの刷新(10/1~)
「STREAL」の高品質そのものをブランド化(例「STREAL inside」)
c. 生産性向上(業務効率化・人材育成・質の向上)
・DX推進による組織・個人の業務効率化
・OJTによるコミュニケーションある実務教育
d. 成長分野への積極的な投資
・新規商材・次期ビジネス
(2) 売上・事業の拡大
以下のような施策を実行する。
a. ソリューション提案のさらなる推進(Winning Combination/Cross Sell)
【ルネサス+H&CSB】【ルネサス+「STREAL」】【「STREAL」+H&CSB】等で高効率な拡販
b. D-in強化・マーケティング営業の推進(D-inの重要性)
市況環境・技術動向を踏まえた戦略的提案活動
c. 新規商材・ビジネス開拓による次期売上基盤の確立
・SiC(シリコンカーバイド=炭化ケイ素)半導体
・Nano-STREAL Chipを活用した医療向け液量センシングへのチャレンジ
d. 海外現地法人の事業拡大と国内との連携強化
「STREAL」海外展開へのパートナーシップづくり
社会貢献活動にも積極的に取り組む
(3) サステナビリティ経営の実践
「サステナビリティ委員会」を設置し、2022年4月から活動を開始している。
さらに同社では、サステナビリティを重視した経営を推進することを宣言し、社会や同社グループが持続的に成長するための重要課題として、4つの観点からマテリアリティを特定した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
1. 新中期経営計画の概要
グローセル (TYO:9995)は2019年5月に、2020年3月期〜2022年3月期の3ヶ年中期経営計画「SSG 2021」を発表していたが、コロナ禍とルネサスの商流移管により数値目標(2022年3月期営業利益1,610百万円)は未達に終わった。
しかし会社は「大型D-inの獲得と基本戦略の推進という定性的な目的は達成できた」と総括しており、まずまずの成果であったと言えそうだ。
これを受けて同社では、新たな中期経営計画として「プロジェクト“S”」(2023年3月期〜2025年3月期)を発表した。
この“S”のネーミングは、「SemiconductorとSensorの販売拡大を通じて、Survival競合に勝ち抜き、Sustainableな社会実現へ貢献するSuperiorな会社になる」ことを目標としていることに由来する。
(1) 基本方針
基本方針として、以下の3つを掲げている。
・創造と革新:優れた製品や技術の創出による新たな価値の提供、社会課題解決と顧客価値の創造
・あるべき姿:持続可能な社会実現への貢献、技術商社として信頼され選ばれる企業へ
・あるべき姿に向けて:サステナビリティ経営、高付加価値、収益重視、戦略的D-inの徹底推進
(2) 数値目標
数値目標としては、2025年3月期に売上高800億円、営業利益率2.4%、営業利益19.2億円、ROE5.9%を掲げている。
またこの時点での製品別売上高は、ルネサス/ABUが466億円、H&CSBが249億円、「STREAL」が85億円を計画している。
会社は「さらにその2年先の2027年3月期には売上高1,000億円、営業利益30億円を目指す」と述べている。
2. 主な活動指針
主な活動指針として、「経営基盤の強化」「売上・事業の拡大」「サステナビリティ経営の実践」を掲げており、以下がその詳細である。
(1) 経営基盤の強化
以下のような施策を実行する。
a. 在庫圧縮による財務体質強化(ROAの改善)
・一般在庫の管理適正化
・メーカー保守在庫の販売促進
b. ブランデイング強化(認知度向上)
・メディア媒体・展示会出展の多様化
・ホームページの刷新(10/1~)
「STREAL」の高品質そのものをブランド化(例「STREAL inside」)
c. 生産性向上(業務効率化・人材育成・質の向上)
・DX推進による組織・個人の業務効率化
・OJTによるコミュニケーションある実務教育
d. 成長分野への積極的な投資
・新規商材・次期ビジネス
(2) 売上・事業の拡大
以下のような施策を実行する。
a. ソリューション提案のさらなる推進(Winning Combination/Cross Sell)
【ルネサス+H&CSB】【ルネサス+「STREAL」】【「STREAL」+H&CSB】等で高効率な拡販
b. D-in強化・マーケティング営業の推進(D-inの重要性)
市況環境・技術動向を踏まえた戦略的提案活動
c. 新規商材・ビジネス開拓による次期売上基盤の確立
・SiC(シリコンカーバイド=炭化ケイ素)半導体
・Nano-STREAL Chipを活用した医療向け液量センシングへのチャレンジ
d. 海外現地法人の事業拡大と国内との連携強化
「STREAL」海外展開へのパートナーシップづくり
社会貢献活動にも積極的に取り組む
(3) サステナビリティ経営の実践
「サステナビリティ委員会」を設置し、2022年4月から活動を開始している。
さらに同社では、サステナビリティを重視した経営を推進することを宣言し、社会や同社グループが持続的に成長するための重要課題として、4つの観点からマテリアリティを特定した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)