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欧米為替見通し:想定外のGDPで消化不良に、しばらくは動意に欠ける展開か

発行済 2016-05-18 17:12
更新済 2016-05-18 17:33
欧米為替見通し:想定外のGDPで消化不良に、しばらくは動意に欠ける展開か
今晩の欧米市場で、ドル・円は109円を挟んだ動意に欠ける展開が続くと思われる。
東京時間8時50分に発表された1-3月期国内総生産(GDP)は前期比年率+1.7%と市場予想(同+0.3%)を大幅に上回る格好となった。
市場では予想下振れで政策への期待感が高まり株高・ドル買いが進むと見られていたが、想定外の大幅上振れを受けて株式、為替市場ともに方向感に乏しくなっている。
つまり消化不良を起こしている状況と言えよう。
日本経済からすると1-3月期の成長率が市場予想よりも良かったことはポジティブなのだが、予想下振れで政策期待による上昇を期待していた市場関係者からするとネガティブな内容と言えよう。
市場では「経済指標の悪化→政府や中央銀行による積極的な政策を期待」というロジックが働くことで、ネガティブな数値が発表されても「株買い、円売り」の地合いとなりやすい。
経済指標が悪いほうがポジティブに働くというロジックだ。
そのような思惑が錯綜しているなか、想定外の結果が出たことから虚をつかれた市場関係者は対応しきれなかったようだ。
想定を大きく上回る結果となったことから、消費増税再延期に対する不透明感が浮上したことも売買手控え要因となったもよう。
先週末、消費増税再延期が一部メディアで報じられた後、官邸が即否定したことを考慮するとセンシティブな内容であることは間違いない。
おそらく伊勢志摩サミットで財政出動実施のコンセンサスを各国から得るのだろう。
水面下でさまざまな交渉が進められていることを考慮すると、消費増税再延期に関する政府の姿勢は「リーマン・ショック や大震災のような事態が起きない限り、消費税の再増税を延期しない考えに変わりない」というスタンスを貫き通すだろう。
為替だけではなく株式も手掛けにくい地合いが続きそうだ。
【今日の欧米市場の予定】 17:00  南ア・消費者物価指数(4月)  6.2%  6.3% 17:30  英・失業率(4月)  2.1%  2.1% 17:30  英・ILO失業率(3カ月)(3月)  5.1%  5.1% 18:00  欧・ユーロ圏消費者物価指数改定値(4月)  -0.2%  -0.2% 20:00  米・MBA住宅ローン申請指数(先週)    0.4% 03:00  米・FOMC議事録公表(4月26、27両日分)

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