■業績動向
2018年7月6日に発表した日本プロセス (T:9651)の2018年5月期連結決算は、売上高が前期比13.0%増の6,289百万円、営業利益が同25.8%増の512百万円、経常利益が同24.7%増の579百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同2.5%増の314百万円となった。
セグメント別に見ると、制御システム、自動車システム、特定情報システム、組込システムが増収増益、産業・公共システム、ITサービスが減収減益と明暗を分けた。
制御システムではエネルギー関連で発電所監視制御から、発送電分離に伴い需要が旺盛な配電システムに参入した。
交通関連では、前期に続いて各地の在来線運行管理で複数案件が順調に推移したことから利益率が向上した。
更に、中国大連の現地法人でのオフショア開発を活用し、品質、コスト、納期がいずれも上手く噛み合ったことで、セグメント利益は前期比18.4%増の272百万円を確保している。
自動車システムでは、自動車システム全体で旺盛な需要がある中、成長が期待される自動運転・ADAS分野に要員をシフト。
車載制御も総じて好調だったほか、開発案件増加に伴い業務改善活動と合わせてオフショア化を推進したことなどから、セグメント利益は前期比44.3%増の359百万円と大きく飛躍した。
特定情報システムでは、危機管理関連で大型請負案件を順調に完遂したほか、おおむね受注が好調だったことでセグメント利益は前期比48.0%増の124百万円と拡大。
組込システムでは、ストレージ関連が好調だったことに加えて、IoT建設機械、医療関連や車載BSW(ベーシックソフトウェア)が計画通りに倍増したことで、セグメント利益は同34.2%増の195百万円となった。
一方、産業・公共システムでは、航空宇宙分野が拡大したものの鉄道の保守車両車載システムの収束が響き、セグメント利益は前期比5.9%減の308百万円となった。
ITサービスでは、戦略的に構築サービスへのシフトを進めており前年の会計システム剥落を埋めきれず、セグメント利益は同20.0%減の100百万円となった。
財務状況は、無借金経営を続けているため極めて良好と言える。
2018年5月期末は貸借対照表上で現金及び預金の項目が、前期末より縮小しながらも3,188百万円と、手元流動性が高いキャッシュリッチの状況だ。
純資産は前期末に比べて205百万円増加して8,514百万円となっている。
自己資本比率は83.0%と高い水準を維持した。
2019年5月期は、売上高こそ前期比6.4%増と増収を見込んでいるものの、営業利益は同10.3%減の460百万円、経常利益は同13.7%減の500百万円となる見通しだ。
会社側によると、前期は案件が潤沢に推移する中、開発ボリュームの平準化に向けた調整やオフショア開発の推進など、効率的なプロジェクト運営ができたことで利益が好調だった。
2019年5月期は、前期に引き続き受注環境は好調と見込むものの、働きやすい環境への投資、生産設備への投資、人材への投資、働きやすい制度の活用と見直しなど、今後の持続的成長に向けた投資をあえて積極的に行うとしている。
なお、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比5.1%増の330百万円を予想している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野 文也)
2018年7月6日に発表した日本プロセス (T:9651)の2018年5月期連結決算は、売上高が前期比13.0%増の6,289百万円、営業利益が同25.8%増の512百万円、経常利益が同24.7%増の579百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同2.5%増の314百万円となった。
セグメント別に見ると、制御システム、自動車システム、特定情報システム、組込システムが増収増益、産業・公共システム、ITサービスが減収減益と明暗を分けた。
制御システムではエネルギー関連で発電所監視制御から、発送電分離に伴い需要が旺盛な配電システムに参入した。
交通関連では、前期に続いて各地の在来線運行管理で複数案件が順調に推移したことから利益率が向上した。
更に、中国大連の現地法人でのオフショア開発を活用し、品質、コスト、納期がいずれも上手く噛み合ったことで、セグメント利益は前期比18.4%増の272百万円を確保している。
自動車システムでは、自動車システム全体で旺盛な需要がある中、成長が期待される自動運転・ADAS分野に要員をシフト。
車載制御も総じて好調だったほか、開発案件増加に伴い業務改善活動と合わせてオフショア化を推進したことなどから、セグメント利益は前期比44.3%増の359百万円と大きく飛躍した。
特定情報システムでは、危機管理関連で大型請負案件を順調に完遂したほか、おおむね受注が好調だったことでセグメント利益は前期比48.0%増の124百万円と拡大。
組込システムでは、ストレージ関連が好調だったことに加えて、IoT建設機械、医療関連や車載BSW(ベーシックソフトウェア)が計画通りに倍増したことで、セグメント利益は同34.2%増の195百万円となった。
一方、産業・公共システムでは、航空宇宙分野が拡大したものの鉄道の保守車両車載システムの収束が響き、セグメント利益は前期比5.9%減の308百万円となった。
ITサービスでは、戦略的に構築サービスへのシフトを進めており前年の会計システム剥落を埋めきれず、セグメント利益は同20.0%減の100百万円となった。
財務状況は、無借金経営を続けているため極めて良好と言える。
2018年5月期末は貸借対照表上で現金及び預金の項目が、前期末より縮小しながらも3,188百万円と、手元流動性が高いキャッシュリッチの状況だ。
純資産は前期末に比べて205百万円増加して8,514百万円となっている。
自己資本比率は83.0%と高い水準を維持した。
2019年5月期は、売上高こそ前期比6.4%増と増収を見込んでいるものの、営業利益は同10.3%減の460百万円、経常利益は同13.7%減の500百万円となる見通しだ。
会社側によると、前期は案件が潤沢に推移する中、開発ボリュームの平準化に向けた調整やオフショア開発の推進など、効率的なプロジェクト運営ができたことで利益が好調だった。
2019年5月期は、前期に引き続き受注環境は好調と見込むものの、働きやすい環境への投資、生産設備への投資、人材への投資、働きやすい制度の活用と見直しなど、今後の持続的成長に向けた投資をあえて積極的に行うとしている。
なお、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比5.1%増の330百万円を予想している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野 文也)