20日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は大幅反落、内需系を意識しつつも中小型株への押し目拾いへ
・ドル・円は上値が重い、日本株安で円買いも
・値下がり寄与トップはファナック (T:6954)、同2位はファーストリテ (T:9983)
■日経平均は大幅反落、内需系を意識しつつも中小型株への押し目拾いへ
日経平均は大幅反落。
265.00円安の21884.21円(出来高概算6億2000万株)で前場の取引を終えた。
19日の米国市場はプレジデンツデーの祝日で休場だったことから海外勢のフローが限られている。
欧州市場が下げていたほか、日経平均は直近3日間で1000円近く上昇していたこともあり、利益確定の流れが先行。
寄付き直後は22000円処での底堅さがみられたが、その後はじりじりと下げ幅を広げる展開となっている。
東証1部の騰落銘柄は値下がり数が1300を超えており、全体の6割を占めている。
セクターではパルプ紙が小幅に上昇した他は、32業種が下落しており、銀行、機械、保険、電気機器、非鉄金属、石油石炭、輸送用機器、食料品、不動産などが冴えない。
指数インパクトの大きいところでは、ファナック (T:6954)、ファーストリテ (T:9983)、ソフトバンクG (T:9984)、東エレク (T:8035)など、昨日上昇をけん引していた値がさ株が重しに。
薄商いの中をインデックスに絡んだ商いにじりじり押される格好となっている。
ただ、5日線のほか、下降しているもののボリンジャーバンドの-1σや一目均衡表の転換線を上回っており、直近の上昇に対する利益確定の範囲内であろう。
支持線レベルに接近する局面においては、押し目拾いのスタンスになるだろう。
とはいえ、祝日明けの米国市場がロシア疑惑問題のほか、21日に米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が公表されるため、これを見極めたいとする模様眺めムードが強まる可能性はありそう。
先物主導によるインデックス売買に振らされやすく、これを避ける流れから、新興市場の中小型株にシフトしやすいと考えられる。
また、内需系を意識しつつも、ゲームや働き方改革、セキュリティ、インバウンドなどの中小型株への押し目拾いといったところになりそうだ。
(株式部長・アナリスト 村瀬智一)
■ドル・円は上値が重い、日本株安で円買いも
20日午前の東京市場でドル・円は上値の重い展開。
ユーロ・ドルの弱含みでドルが押し上げられたが、日本株の下げ幅拡大を意識した円買いが重石となった。
ドル・円は、106円半ばで寄り付いた後、国内勢の買戻しが続き小幅に値を切り上げた。
一方、ユーロ・ドルの下落でドルへの下押し圧力が弱まったことも、ドルの押し上げ要因となった。
ランチタイムの日経平均先物は軟調地合いが続き、目先の日本株安継続が観測される。
リスク回避的な円買いに振れやすく、強いドル買い材料が乏しいなかドルの上昇は抑えられそうだ。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は106円56銭から106円79銭、ユーロ・円は132円15銭から132円51銭、ユーロ・ドルは1.2382ドルから1.2412ドルで推移した。
(為替・債券アナリスト 吉池威)
■後場のチェック銘柄
・ヴィンクス (T:3784)やSKジャパン (T:7608)がストップ高
※一時ストップ高・安(気配値)を含みます
・値下がり寄与トップはファナック (T:6954)、同2位はファーストリテ (T:9983)
■経済指標・要人発言
・豪準備銀議事要旨
「基礎的インフレ率は2020年半ばまでに2.25%へと段階的に上昇するだろう」
「豪ドルの上昇は経済成長やインフレを妨げるだろう」
「インフレの一層の上昇は非常に穏やかなものになる見通し」
「低金利が失業減とインフレの押し上げに寄与している」
・麻生財務相
「外債含み損、金融機関の危機になっているわけではない」
☆後場の注目スケジュール☆
・16:00 独・1月生産者物価指数(前年比予想:+1.8%、12月:+2.3%)
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