上場企業の経営者に迫る!「フィスコリサーチレポーター馬渕磨理子の“社長インタビュー”」トラスト・テック 西田穣社長(後半)
みなさん、こんにちは☆フィスコリサーチレポーターの馬渕磨理子です。
引き続き、トラスト・テック (T:2154)の西田穣社長に、経営戦略と英国の人材派遣会社買収後の展開についてうかがいたいと思います。
【中期経営計画】
馬渕:2015年8月に自立成長とM&Aを両輪とし「年率20%以上の成長スピードを維持」し「連結営業利益率10%の達成」をめざすという事を掲げていましたがこのたび、2016年8月に、より具体的に中期経営戦略を出しておられますが、ポイントは?
西田:「地域」と「領域」において当社独自のポジションを確立する、というのが中期経営戦略です。
馬渕:ターゲットとされている「地域」や優先順位の高い「地域」について教えてください。
西田:まずは欧米諸国に展開していく考えです。
世界の人材派遣市場は42兆円で、日本の7倍の市場規模があります。
そのうちアメリカは33%を占めており、その次が日本の13%です。
派遣業において日本は意外とオープンなマーケットであり、制約は少ないです。
次がイギリスの12%です。
日本の人口が1億2千万人で、イギリスの人口が6500万人ですから人口は半分くらいしかいないのですが、派遣市場の規模は同じぐらいあり、イギリスでは派遣という働き方が浸透しているのです。
アメリカは33%ですが、アメリカ全体の人口でいうと日本の3倍程であることから考えると、アメリカでの浸透率もだいたい日本と同じくらいだと言えます。
つまり、この3か国で世界の人材派遣市場の60%を占めておりますので、まずは日本以外では主に欧米諸国に展開していく考えです。
発展途上国の地域については現段階では、種まきの段階となります。
そういった意味で「地域」という軸をまず持ちました。
馬渕:事業の軸となる「領域」と今後展開を予定されている「領域」について教えてください。
西田:1)既存の領域の掘り下げと2)新しい分野の開拓です。
技術系の領域において、既存の領域である自動車メーカーや電機メーカーなどの機械・電気の領域を更に拡大すると同時に、今後新しい分野のIoTやAIに拡大していく意向です。
当社のソフトウェアの分野は拡大しておりますし、昨年2015年7月に自動車制御のECU開発等を行う企業であるフリーダムを子会社化しました。
また現在、当社の技術系領域の52%が自動車関連の売上ですので、今後は自動車以外の新しい産業・領域にも広げていくことを考えています。
【MTrec社買収について】
馬渕:2016年8月にイギリスの人材派遣会社であるMTrecの買収を発表されました。
この理由と御社の狙いについて教えてください。
西田:イギリスへの進出が狙いです。
MTrec社は製造派遣を中心にイングランド北東部で大きく売上高を伸ばしている人材派遣会社です。
MTrecが本拠地としている地域は、自動車メーカー等の製造業が多く拠点を持ち、日産の工場など日系企業がたくさん進出していますので、MTrecのお客様の3分の1ほどが日系の企業であり、さらに我々が日本でも元々取引実績のある企業も含まれることから、親和性のある企業でした。
馬渕:今回の買収について財務面を懸念する投資家もいるかと思います。
投資リスクの
軽減として御社の取組について教えてください。
西田:財務面では、一時的に自己資本比率は低下しましたが余力は充分あり、また当期の利益により回復して行きますので、今後の財務活動に支障が出ることはないと考えています。
当社グループは、業種的にキャッシュフローが安定しておりますので、収益力を保つことで安定した返済が可能です。
更に今回の買収は、それほど大きな影響があるような金額ではなく、MTrec自身が稼ぐ力を持っている企業ですし、今後も成長軌道に乗っていますので、むしろ更にハイスピードでの収益向上が望めるため、圧倒的にメリットの部分が大きいと確信しています。
【投資家に向けたメッセージ】
馬渕:最後に投資家の皆様へメッセージをお願いします。
西田:我々、トラスト・テックは当初設定した中期経営計画の成長スピードを上回りながら進んでいます、またM&Aを通じて更に成長スピードが加速する可能性が高いです。
経営指針として、現在掲げている「年率20%以上の成長スピードの維持」と「連結営業利益率10%の達成」、この2つは馬力が必要な非常に高い目標ですが、それを成し得る、成長力と成長志向力が我々にはあります。
この「成長志向力」こそが、企業の結果を出していく力に繋がると考えておりますので、結果を投資家の方に見ていただけたらと思います。
馬渕:西田社長ありがとうございました。
~インタビューを終えて~
トラスト・テックの成長力は、エンジニア本人のキャリアや人生プランなどを聞いた上で、仕事を提案されるところにあるのですね。
「自分の人生も含めて大切に考えてくれている」ことがエンジニアの方々に伝わっているからこそ、トラスト・テックの最近の社員数の大幅増加につながっているのだと感じました。
中期経営計画でも国内・海外問わずM&A案件を常にリサーチを行っているそうです。
「年率20%以上の成長スピードの維持」と「連結営業利益率10%の達成」を成し得る成長力と成長志向力が我々にはあり、結果を投資家の方に見ていただけたらという西田社長の力強い言葉がとても印象的でした。
今後の展開が楽しみですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回も楽しみにしていてくださいね☆
みなさん、こんにちは☆フィスコリサーチレポーターの馬渕磨理子です。
引き続き、トラスト・テック (T:2154)の西田穣社長に、経営戦略と英国の人材派遣会社買収後の展開についてうかがいたいと思います。
【中期経営計画】
馬渕:2015年8月に自立成長とM&Aを両輪とし「年率20%以上の成長スピードを維持」し「連結営業利益率10%の達成」をめざすという事を掲げていましたがこのたび、2016年8月に、より具体的に中期経営戦略を出しておられますが、ポイントは?
西田:「地域」と「領域」において当社独自のポジションを確立する、というのが中期経営戦略です。
馬渕:ターゲットとされている「地域」や優先順位の高い「地域」について教えてください。
西田:まずは欧米諸国に展開していく考えです。
世界の人材派遣市場は42兆円で、日本の7倍の市場規模があります。
そのうちアメリカは33%を占めており、その次が日本の13%です。
派遣業において日本は意外とオープンなマーケットであり、制約は少ないです。
次がイギリスの12%です。
日本の人口が1億2千万人で、イギリスの人口が6500万人ですから人口は半分くらいしかいないのですが、派遣市場の規模は同じぐらいあり、イギリスでは派遣という働き方が浸透しているのです。
アメリカは33%ですが、アメリカ全体の人口でいうと日本の3倍程であることから考えると、アメリカでの浸透率もだいたい日本と同じくらいだと言えます。
つまり、この3か国で世界の人材派遣市場の60%を占めておりますので、まずは日本以外では主に欧米諸国に展開していく考えです。
発展途上国の地域については現段階では、種まきの段階となります。
そういった意味で「地域」という軸をまず持ちました。
馬渕:事業の軸となる「領域」と今後展開を予定されている「領域」について教えてください。
西田:1)既存の領域の掘り下げと2)新しい分野の開拓です。
技術系の領域において、既存の領域である自動車メーカーや電機メーカーなどの機械・電気の領域を更に拡大すると同時に、今後新しい分野のIoTやAIに拡大していく意向です。
当社のソフトウェアの分野は拡大しておりますし、昨年2015年7月に自動車制御のECU開発等を行う企業であるフリーダムを子会社化しました。
また現在、当社の技術系領域の52%が自動車関連の売上ですので、今後は自動車以外の新しい産業・領域にも広げていくことを考えています。
【MTrec社買収について】
馬渕:2016年8月にイギリスの人材派遣会社であるMTrecの買収を発表されました。
この理由と御社の狙いについて教えてください。
西田:イギリスへの進出が狙いです。
MTrec社は製造派遣を中心にイングランド北東部で大きく売上高を伸ばしている人材派遣会社です。
MTrecが本拠地としている地域は、自動車メーカー等の製造業が多く拠点を持ち、日産の工場など日系企業がたくさん進出していますので、MTrecのお客様の3分の1ほどが日系の企業であり、さらに我々が日本でも元々取引実績のある企業も含まれることから、親和性のある企業でした。
馬渕:今回の買収について財務面を懸念する投資家もいるかと思います。
投資リスクの
軽減として御社の取組について教えてください。
西田:財務面では、一時的に自己資本比率は低下しましたが余力は充分あり、また当期の利益により回復して行きますので、今後の財務活動に支障が出ることはないと考えています。
当社グループは、業種的にキャッシュフローが安定しておりますので、収益力を保つことで安定した返済が可能です。
更に今回の買収は、それほど大きな影響があるような金額ではなく、MTrec自身が稼ぐ力を持っている企業ですし、今後も成長軌道に乗っていますので、むしろ更にハイスピードでの収益向上が望めるため、圧倒的にメリットの部分が大きいと確信しています。
【投資家に向けたメッセージ】
馬渕:最後に投資家の皆様へメッセージをお願いします。
西田:我々、トラスト・テックは当初設定した中期経営計画の成長スピードを上回りながら進んでいます、またM&Aを通じて更に成長スピードが加速する可能性が高いです。
経営指針として、現在掲げている「年率20%以上の成長スピードの維持」と「連結営業利益率10%の達成」、この2つは馬力が必要な非常に高い目標ですが、それを成し得る、成長力と成長志向力が我々にはあります。
この「成長志向力」こそが、企業の結果を出していく力に繋がると考えておりますので、結果を投資家の方に見ていただけたらと思います。
馬渕:西田社長ありがとうございました。
~インタビューを終えて~
トラスト・テックの成長力は、エンジニア本人のキャリアや人生プランなどを聞いた上で、仕事を提案されるところにあるのですね。
「自分の人生も含めて大切に考えてくれている」ことがエンジニアの方々に伝わっているからこそ、トラスト・テックの最近の社員数の大幅増加につながっているのだと感じました。
中期経営計画でも国内・海外問わずM&A案件を常にリサーチを行っているそうです。
「年率20%以上の成長スピードの維持」と「連結営業利益率10%の達成」を成し得る成長力と成長志向力が我々にはあり、結果を投資家の方に見ていただけたらという西田社長の力強い言葉がとても印象的でした。
今後の展開が楽しみですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回も楽しみにしていてくださいね☆