[ソウル 29日 ロイター] - 北朝鮮は、南北協力事業である金剛山観光を巡り、韓国側が提案していた実務者協議を拒否した。韓国統一省が29日明らかにした。
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は先週、金剛山にある「みすぼらしい」「資本主義的な」施設を撤去し、建て替えるべきだと主張していた。
韓国統一省は28日に北朝鮮側に実務者協議の開催を提案したが、北朝鮮はこの提案を拒否し、文書のやり取りで対応すべきと主張したという。
韓国国民による金剛山観光は1998年に始まり、韓国企業では現代峨山やアナンティ (KQ:025980)などが金剛山の観光事業を手掛けていた。2008年に軍事区域に入り込んだ韓国人観光客を北朝鮮兵士が射殺する事件が発生。観光事業は中断された。
韓国の文在寅政権は南北関係の改善に向け観光事業の再開を模索しているが、国際的な対北朝鮮制裁で投資や金融取引は制限されている。北朝鮮側も、動きのとれない韓国政府に苛立ちを募らせている。