中国メディアはこのほど、安倍政権が進めている経済政策「アベノミクス（大胆な金融緩和、財政支出拡大、規制緩和など）」が失敗に終わるとの見方を示した。 2016年春闘のベースアップ（ベア）が昨年実績の半分程度にとどまったことが背景にある。
中国のエコノミストは、大胆な金融緩和と財政支出の拡大（第1と第2の矢）で日本の株式市場を押し上げたほか、予想通りの円安進行となった。
ただ、肝心な構造改革が遅れており、日本の国内総生産（GDP）の6割を寄与する個人消費支出が振るわず、原油価格の低迷を受け、2％のインフレ目標を実現することが当面困難だと指摘した。
専門家は、自動車業界のトップ企業であるトヨタのベアでさえ労働組合が要求した賃上げ水準の半分にとどまり、ほかの中小企業の賃上げ幅が容易に想像できると指摘。
構造改革などの遅れでアベノミクスは日本経済の健全発展の足かせになる恐れがあると警告した。
終焉博士と呼ばれているノリエル・ルービニ教授はこのほど、アベノミクスがすでにけん引力を失っていると発言。
円高の進行に伴い、金融市場だけでなく、輸出大手の経営環境も悪化すると強調した。
なお、日本政府は今月23日、3月の月例経済報告の中で、景気判断について、緩やかな回復基調が続いているとしながらも、5カ月ぶりに下方修正した。