[ニューヨーク 22日 ロイター] -
ニューヨーク外為市場ではドルが下落。英ポンドや豪ドルに対しては数年ぶりの安値に沈んだ。新型コロナワクチン接種状況に加え、経済成長やインフレ見通しが注目された。
終盤の取引で、ドル指数は0.3%安の90.046。
ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズのシニア市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏は「米指標が強弱まちまちの内容となるに伴い、ドルの一進一退が続いている」と指摘。市場では、低調な米雇用情勢が米連邦準備理事会(FRB)による低金利維持の確約を支えているとの見方が台頭し、ドルを圧迫しているとの認識を示した。
米国で過度の刺激策が実施され、インフレ高進や高債務につながる可能性があるとの見方が広がっている。こうした中、FRBが幾分ハト派トーンを弱め、インフレ高進に一段の注意を向ける可能性があるかを探ろうと、23日に行われるパウエルFRB議長の米上院銀行委員会での証言が注目される。
ユーロ/ドルは0.4%高の1.2162ドル。独IFO経済研究所が発表した2月の業況指数は92.4と、市場予想を大幅に上回り、昨年10月以降で最高となった。
ポンド/ドルは0.5%高の1.4066ドルと、2018年4月以来の高値を更新。ジョンソン英首相は、1月5日に導入した新型コロナ感染拡大抑制に向けたロックダウン(都市封鎖)の段階的な緩和計画を発表した。
商品(コモディティー)価格の上昇を追い風に、豪ドルも18年3月以来の高値となる0.7917米ドルを付けた。オーストラリアでは21日に新型コロナワクチンの接種が始まった。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは6%安の5万3866ドル。一時、最大16%下落する場面もあった。21日には5万8354ドルを付け、最高値を更新していた。