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マルマエは23年8月期減益予想だが保守的、積極的な事業展開で収益拡大基調に期待

発行済 2022-10-11 09:15
更新済 2022-10-11 09:35
© Reuters.  マルマエは23年8月期減益予想だが保守的、積極的な事業展開で収益拡大基調に期待

(決算速報)

 マルマエ<6264>(東証プライム)は10月7日の取引時間終了後に22年8月期業績(非連結)を発表した。受注が好調に推移して前回予想を上回る大幅増収増益だった。23年8月期は減益予想としている。売上面は市場が停滞傾向でもシェア拡大などで高水準に推移するが、設備投資増加に伴う減価償却費の増加や、人員増先行による利益率低下などが影響する見込みとしている。また配当予想も減配予想とした。ただし保守的な印象が強く上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。株価は地合い悪化も影響して年初来安値圏だ。目先的には23年8月期減益・減配予想を嫌気する可能性もあるが下値限定的だろう。

■22年8月期大幅増収増益、23年8月期減益予想だが保守的

 22年8月期の業績(非連結、収益認識会計基準適用だが損益への影響軽微)は、売上高が21年8月期比59.9%増の85億85百万円、営業利益が95.6%増の23億61百万円、経常利益が97.2%増の23億66百万円、そして当期純利益が101.3%増の18億17百万円だった。配当予想は10月7日付で期末4円上方修正して、21年8月期比24円増配の48円(第2四半期末22円、期末26円)とした。配当性向は33.7%となる。

 受注が好調に推移して、前回予想(22年4月15日付で上方修正、売上高83億円、営業利益23億円、経常利益22億86百万円、当期純利益16億67百万円)を上回る大幅増収増益だった。なお収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高と売上原価がそれぞれ54百万円減少している。影響は軽微である。

 全社受注高は47.2%増の91億90百万円(半導体分野が44.9%増の70億27百万円、FPD分野が25.9%増の14億61百万円、その他分野が3.0倍の7億円)で、分野別売上高は半導体分野が51.2%増の63億82百万円、FPD分野が84.0%増の15億42百万円、その他分野が2.6倍%増の4億45百万円だった。半導体分野は良好な市場環境を背景に過去最高水準だった。FPD分野は市場が横ばいだったがシェア拡大が牽引した。その他分野は太陽電池製造装置部品の受注が増加した。

 コスト面では、売上増加に伴って材料費、外注加工費、労務費が増加し、設備投資に伴って減価償却費が増加した。さらに先行投資で販管費が増加(研究開発費、人件費などが増加)したが、大幅増収効果や稼働率上昇効果で吸収した。売上総利益率は3.0ポイント上昇して36.8%となった。販管費は30.6%増加したが、販管費比率は2.1ポイント低下して9.3%となった。なお特別利益では補助金収入が47百万円増加した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が19億38百万円で営業利益が5億95百万円、第2四半期は売上高が20億24百万円で営業利益が5億81百万円、第3四半期は売上高が21億35百万円で営業利益が5億67百万円、第4四半期は売上高が24億88百万円で営業利益が6億18百万円だった。

 23年8月期の業績予想(非連結)は、売上高が22年8月期比1.3%増の87億円、営業利益が28.9%減の16億80百万円、経常利益が29.9%減の16億60百万円、当期純利益が33.9%減の12億円としている。配当予想は22年8月期比12円減配の36円(第2四半期末18円、期末18円)としている。予想配当性向は37.9%となる。

 売上面は市場が停滞傾向でもシェア拡大などによって高水準に推移するが、設備投資増加に伴う減価償却費の増加や、人員増先行による利益率低下などの影響で減益予想としている。なお新規設備投資については市場動向に合わせて実行する方針としている。分野別売上高の計画は半導体分野が7.6%増の68億66百万円、FPD分野が50.3%減の7億66百万円、その他分野が2.1倍の9億21百万円としている。

 半導体分野については、半導体市場の需要鈍化で装置市場も停滞傾向となり、第2四半期~第3四半期に市場減速の影響を見込んでいる。重点施策として消耗品と新規客向けの受注拡大に注力する。FPD分野は全般的に市場停滞傾向の見込みだが、新品種獲得などでシェア拡大を狙う。その他分野は太陽電池向け装置の需要が活発のため、FPD分野の余力も活用して営業活動強化や内製比率改善を推進する方針だ。

 23年8月期は先行投資の影響で減益予想としているが、保守的な印象が強く上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。

■株価は下値限定的

 株価は地合い悪化も影響して年初来安値圏だ。目先的には23年8月期減益・減配予想を嫌気する可能性もあるが下値限定的だろう。10月7日の終値は1867円、今期予想PER(会社予想のEPS95円03銭で算出)は約20倍、今期予想配当利回り(会社予想の36円で算出)は約1.9%、前期実績PBR(前期実績のBPS578円06銭で算出)は約3.2倍、時価総額は約244億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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