シカゴIMMの短期投機家・投資家による円の買い持ち高は3週連続で増加した。
来週は、米カンザスシティー地区連銀がワイオミング州ジャクソンホールで開く年次会合で26日に予定されているイエレンFRB議長の講演が注目材料となる。
イエレンFRB議長の講演は、6月の連邦公開市場委員会(FOMC)の記者会見以来。
市場の見方は分かれる。
米国経済の強さを強調し、年内の利上げのヒントが得られるとの期待がある一方で、9月連邦公開市場委員会(FOMC)での金融政策決定の鍵のひとつとなる8月の雇用統計の発表を控えて、利上げへのヒントを送るのは困難との見方もある。
7月FOMC議事録の中でも、利上げのタイミングに関し、ハト派メンバーとタカ派メンバーの間で意見が明確に分かれた。
イエレンFRB議長の発言は、ダドリーNY連銀総裁やウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁と類似したものとなり、米国の経済は強く、9月の利上げの選択肢もオープンにする可能性がある。
労働市場に関しては最大雇用に近いが、依然としてたるみの存続に言及する可能性がある。
また、ドル高やエネルギー価格の下落が一段落したため、インフレは中期目標である2%に向けて順調に上昇するとの見通しも指摘すると見る。
一方、シティグループのエコノミストはイエレンFRB議長が次回利上げを具体的に示唆する可能性は少なく、逆に一段と段階的な利上げが有益だとの慎重な方針を示す可能性があると見ている。
実質FF金利の中立水準が過去に比べて低いため、金融政策がそれほど緩和的となっていない可能性があるためだと説明した。
また、英国のメイ首相は、EU基本条約(リスボン条約)50条規定にもとづきフランスやドイツの総選挙前、2017年4月までに欧州連合(EU)離脱の意思をヨーロッパ理事会(首脳会議)に通知する意向だと報じられた。
英国のEU離脱が米国経済に与える影響は「限定的」との見方は根強いものの、不透明感が強まることは確かで、米国の利上げペースを遅らせる理由となり得る。
当初は、フランスやドイツの選挙が終了した17年末以降にEU離脱の正式申請が行われると見られていただけにサプライズとなった。
その他、米国の住宅関連指標や7−9月期の国内総生産(GDP)を左右する7月耐久財受注に注目が集まる。
ダドリーNY連銀総裁は7−9月期、下半期の国内総生産(GDP)の成長が強まるため、最終的に利上げにつながると見ている。
■来週の主なイベント
●米国
23日:7月新築住宅販売件数:予想58万戸(6月59.2万戸)
24日:7月中古住宅販売件数:予想552万戸(6月557万戸)
25−27日:米カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム(ジャクソンホール)開催
26日:イエレンFRB議長講演、4−6月期国内総生産(GDP)改定値:予想前期比年率+1.1%(速報値+1.2%)、4−6月期個人消費:+4.2%(1−3月期4.2%)
●日本
23日:黒田日本銀行総裁がFinTechフォーラムであいさつ
●欧州
24日:独・4−6月期国内総生産(GDP)改定値:前期比+0.4%(1−3月期+0.4%)
●地政学的リスク
ウクライナ紛争
ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア
イエメン
トルコ
【IMM】
*円
ネット・円買い持ち:+56,006(8/16)←円買い持ち:+48,831(8/9)(直近ネット円買い持ち最高水準:08年3/25+65,920、04年2/6+64499)(過去最高ネット円売り持ち高:07年6/26-188,077)
*ユーロ
ネット・ユーロ売り持ち:- 92,508(8/16)←ユーロ売り持ち::- 98,399(8/9)(07年5/15:+119,538過去最高買い持ち高、10年2/9-57,152過去最高の売り持ち高)
*ポンド
ネット・ポンド売り持ち:- 94,238(8/16)←ポンド売り持ち:- 90,082(8/9)(07年7/22:直近ネット買い持ち高最高水準+98,366)
*スイスフラン
ネット・スイスフラン売り持ち:-1,545(8/16)←スイスフラン買い持ち:+107(8/9)(過去最高スイスフランネット売り持ち高:07年6/19:-79,331)
*加ドル
ネット・加ドル買い持ち:+12,473(8/16)←加ドル買い持ち:+15,366(8/9)(直近ネット買い持ち高最高水準:07年10/12+83001)
*豪ドル
ネット・豪ドル買い持ち: +41113(8/16)←豪ドル買い持ち:+34884(8/9)