[シドニー 9日 ロイター] - 豪当局は9日、豪東部ニューサウスウェールズ(NSW)の州都シドニー市民に対し自宅待機を呼び掛け、3週間のロックダウン(都市封鎖)を延長する必要があるとの認識を示した。
市内の一部では、数百人の警察官がロックダウン順守のためパトロールを行っている。
同州のベレジクリアン首相は9日、記者団に対し、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が始まって以来、最大の危機に直面していると指摘。感染者が急増しているとして、住民に不要不急の外出を控えるよう強く要請した。
シドニーのロックダウンは既に延長され、16日が現在の期限となっている。
NSWで9日に新たに報告された市中感染者は44人で、前日の38人を上回った。そのうち29人は感染後に周囲との接触があった。
シドニーでは6月26日から外出を制限するロックダウンが実施されている。9日夜から規制が強化され、屋外での家族以外の集会を2人に制限し、市民は自宅の10キロ圏内にとどまるよう求められる。
シドニーでは感染力が高いとされる変異ウイルスのデルタ株感染が広がっている。
ベレジクリアン首相は、オーストラリアのワクチン接種率が低いことに鑑みて「ウイルスと共生する」との考えを否定。「接種率が9%であるにもかかわらず、ウイルスと共生するようなことになれば、何千人もの入院患者や死者が出るだろう」とした。