[ニューヨーク 15日 ロイター] 16日から始まる週の米国株式市場は、S&P総合500種<.SPX>が1100の水準を試す展開になるほか、投資家が年初からこれまでに得た利益を失うリスクを避けて様子見姿勢になるとみられることから、さらなる上昇への勢いを増すことが困難になる可能性がある。
企業決算が大方出そろったことを踏まえ、市場専門家は、株式市場を動かす次の材料に焦点を移している。16日からの週は、10月の小売売上高、消費者物価指数(CPI)、住宅着工件数など一連の経済指標が注目材料になる見通し。
株式市場は、今後数カ月間に需要が回復するとの楽観的な見方を反映し、3月につけた12年ぶり安値から60%回復しているが、リセッション(景気後退)脱却の道のりは厳しい。
投資家は、改善している企業の業績見通しと、弱い労働市場を背景とした消費の鈍い回復のバランスを取ろうとしている。
約900の水準で今年をスタートしたS&P総合500種は1100の水準で強い上値抵抗線に直面している。ザラ場では4度この水準を上抜けたものの、終値ベースではまだ今年に1100を上回る水準に達していない。終値が心理的に重要なこの水準を超えた場合、買いのシグナルと受け止められる可能性がある。
シェファーズ・インベストメント・リサーチのシニア・テクニカルストラテジスト、ライアン・デトリック氏は「この水準は前月も上値抵抗線だったが、またそうなった」と指摘。
ただ「最終的にはこの水準が突破され、一連の買いを誘発するとみている」と語った。
昨年の株式市場の大幅下落がまだ記憶に鮮明に残るなか、投資家はここ数週間に、より慎重な姿勢を取っているとみられる。
プルデンシャル・ファイナンシャルの市場ストラテジスト、クインシー・クロスビー氏は「マネジャーらが利益を確定しつつあるという見方や業績目標を達成した人はもうリスクを取りたがらないという見方がある」と語った。
16日からの週に発表される経済指標は、10月の小売売上高、卸売物価指数(PPI)、鉱工業生産と設備稼働率、CPI、住宅着工件数など。
ロイター調査によると、16日の取引開始前に発表される10月の小売売上高は0.9%増加する見通し。
17日発表の10月のPPIは食品・エネルギー価格を除いたコア指数が0.1%上昇する見通し。10月のCPIコア指数も0.1%上昇するとみられている。
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