[4日 ロイター] - 米マイクロソフトは4日、同社の検索エンジン「Bing(ビング)」で「タンクマン」と検索した際の画像検索結果が米国などで表示されないことについて、「偶発的な人為的エラー」が原因だと表明した。中国が民主化を求めるデモ隊を武力で鎮圧した1989年の天安門事件から32年に当たるこの日、検閲が行われたのではないかとの懸念する声が利用者から上がっていた。
「タンクマン」は、民主化デモの際に天安門広場で戦車の前に立ちはだかった氏名不詳の人物を指す言葉としてよく使われている。
英国やドイツ、シンガポールなどの利用者から4日、ビングでこの検索を実行したところ「タンクマンの検索結果はありません」と表示されたとの報告が寄せられた。
デジタル関連の言論の自由擁護グループ、電子フロンティア財団の公民権担当ディレクターを務めるデビッド・グリーン氏は、不適切なコンテンツを監視して必要に応じて削除するコンテンツモデレーションを完璧に実行するのは不可能であり、「とんでもないミスは常に起きている」と述べた。一方で、「最悪の場合、強大な国家の要請による意図的な抑圧だった可能性がある」と指摘した。
マイクロソフトがこの問題を認めてから数時間後、タンクマンで検索すると、天安門以外の世界各地の戦車の写真ばかりが表示された。
マイクロソフトは、「偶発的な人為的エラーによるもので、問題の解決に向けて積極的に取り組んでいる」と述べた。