■業績動向
3. 財務状況と経営指標
2017年3月末の財務状況を見ると、総資産は前期末比45,340百万円増加の246,949百万円となった。
内訳を見ると、流動資産が同43,053百万円、固定資産が同2,287百万円増加した。
流動資産の増加は、主に長期借入れなどの実施による現金及び預金の増加44,738百万円によるものとなっている。
また、固定資産については有形固定資産が1,213百万円、無形固定資産が1,845百万円それぞれ増加し、投資その他資産が770百万円減少した。
負債合計は前期末比38,142百万円増加の135,224百万円となった。
流動負債が同300百万円減少したが、固定負債が同38,442百万円の大幅増加となった。
2016年8月に長期借入※を行ったことにより長期借入金が前期末比で37,899百万円増加したことによる。
長期借入の目的は、カドカワ (T:9468)が埼玉県所沢市で進める新規プロジェクト「ところざわサクラタウン(仮)」(書籍製造・物流工場、オフィス、商業施設等)の建設資金に充当するものとなっている。
※借入コミットメントラインの手数料を金利負担が下回るような低金利環境を生かし、同社が長期運転資金を確保する目的で15,000百万円(借入期間7年、利率:基準金利+スプレッド)の借入を行ったほか、KADOKAWAでも既存の借入10,000百万円及びコミットメントライン契約(極度金額15,000百万円)を見直し、金融費用を削減することを目的として期限前返済及びコミットメントライン契約の解約並びに25,000百万円(同社と同条件)の借入を行った。
純資産は前期末比7,198百万円増加の111,724百万円となった。
親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が5,541百万円増加したほか、保有株式の時価総額増加などによりその他の包括利益累計額が1,758百万円増加したことによる。
キャッシュ・フローの状況について見ると、2017年3月末の現金及び現金同等物は前期末比38,965百万円増加の91,140百万円となった。
営業キャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益7,375百万円や減価償却費5,258百万円、売上債権の減少3,444百万円等により法人税等の支払い2,362百万円を吸収し、11,968百万円の収入となった。
投資キャッシュ・フローは、有形固定資産(3,656百万円)及び無形固定資産(2,507百万円)の取得による支出、定期預金の増加(4,560百万円)、連結範囲の変更を伴う子会社持分の取得による支出(1,039百万円)等により、10,394百万円の支出となった。
財務キャッシュ・フローは長期借入れによる収入等により、37,200百万円の収入となった。
経営指標を見ると、健全性を表す自己資本比率は有利子負債の増加に伴い前期末の51.4%から44.5%へ低下したが、流動比率は長期借入による現預金の増加に伴い前期末の214.5%から285.9%へ上昇した。
また、D/Eレシオは有利子負債増加の影響により前期末の0.28から0.61へ上昇した。
前期と比較すると財務体質はやや悪化したが、ネットキャッシュ(現預金-有利子負債)では37,962百万円の黒字となっており、財務の健全性は十分維持されていると判断される。
一方、収益性を表す営業利益率は投資費用が先行したことから前期の4.5%から4.1%に、ROEは6.6%から5.4%に低下した。
2018年3月期も投資費用増により収益性の低下が続く見込みとなっているものの、中長期的にはWebサービス事業や出版事業を中心に収益性も向上していくことが予想される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
3. 財務状況と経営指標
2017年3月末の財務状況を見ると、総資産は前期末比45,340百万円増加の246,949百万円となった。
内訳を見ると、流動資産が同43,053百万円、固定資産が同2,287百万円増加した。
流動資産の増加は、主に長期借入れなどの実施による現金及び預金の増加44,738百万円によるものとなっている。
また、固定資産については有形固定資産が1,213百万円、無形固定資産が1,845百万円それぞれ増加し、投資その他資産が770百万円減少した。
負債合計は前期末比38,142百万円増加の135,224百万円となった。
流動負債が同300百万円減少したが、固定負債が同38,442百万円の大幅増加となった。
2016年8月に長期借入※を行ったことにより長期借入金が前期末比で37,899百万円増加したことによる。
長期借入の目的は、カドカワ (T:9468)が埼玉県所沢市で進める新規プロジェクト「ところざわサクラタウン(仮)」(書籍製造・物流工場、オフィス、商業施設等)の建設資金に充当するものとなっている。
※借入コミットメントラインの手数料を金利負担が下回るような低金利環境を生かし、同社が長期運転資金を確保する目的で15,000百万円(借入期間7年、利率:基準金利+スプレッド)の借入を行ったほか、KADOKAWAでも既存の借入10,000百万円及びコミットメントライン契約(極度金額15,000百万円)を見直し、金融費用を削減することを目的として期限前返済及びコミットメントライン契約の解約並びに25,000百万円(同社と同条件)の借入を行った。
純資産は前期末比7,198百万円増加の111,724百万円となった。
親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が5,541百万円増加したほか、保有株式の時価総額増加などによりその他の包括利益累計額が1,758百万円増加したことによる。
キャッシュ・フローの状況について見ると、2017年3月末の現金及び現金同等物は前期末比38,965百万円増加の91,140百万円となった。
営業キャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益7,375百万円や減価償却費5,258百万円、売上債権の減少3,444百万円等により法人税等の支払い2,362百万円を吸収し、11,968百万円の収入となった。
投資キャッシュ・フローは、有形固定資産(3,656百万円)及び無形固定資産(2,507百万円)の取得による支出、定期預金の増加(4,560百万円)、連結範囲の変更を伴う子会社持分の取得による支出(1,039百万円)等により、10,394百万円の支出となった。
財務キャッシュ・フローは長期借入れによる収入等により、37,200百万円の収入となった。
経営指標を見ると、健全性を表す自己資本比率は有利子負債の増加に伴い前期末の51.4%から44.5%へ低下したが、流動比率は長期借入による現預金の増加に伴い前期末の214.5%から285.9%へ上昇した。
また、D/Eレシオは有利子負債増加の影響により前期末の0.28から0.61へ上昇した。
前期と比較すると財務体質はやや悪化したが、ネットキャッシュ(現預金-有利子負債)では37,962百万円の黒字となっており、財務の健全性は十分維持されていると判断される。
一方、収益性を表す営業利益率は投資費用が先行したことから前期の4.5%から4.1%に、ROEは6.6%から5.4%に低下した。
2018年3月期も投資費用増により収益性の低下が続く見込みとなっているものの、中長期的にはWebサービス事業や出版事業を中心に収益性も向上していくことが予想される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)