■強みと中期経営計画進捗状況
(2)中期経営計画の進捗状況
城南進学研究社 {{|0:}}は2015年3月期−2017年3月期の3ヶ年中期経営計画に取り組んでいる。
今中期経営計画では、少子高齢化社会という外部環境の中での競争に勝ち抜くために、1)社会環境の変化(ICT化、グローバル化など)にフレキシブルに対応し、顧客層の拡大を図る、2)サービスの専門性を高め、差別化を推進することで顧客満足度の向上を目指す、という2つを実行し、これらを通じて持続的成長を実現するとしている。
これまでの状況を振り返ると、グローバル化という点では、幼児英語教育事業のジー・イー・エヌや留学専門予備校の(株)リンゴ・エル・エル・シーの買収を行った。
また、ICT(Information and Communication Technology、情報通信技術)という点では、教育のICT化としてマナビス事業の拡大や電子黒板を活用した授業「@Active Loop」、eラーニング教材「デキタス」、スマホアプリである「わーどばんくの塔」など各種デジタル教材の投入を行っている(一部計画を含む)。
顧客層の拡大という点では、前述のように大学受験予備校が主体だったビジネスモデルから、幼児から大人までの垂直展開による“総合教育企業”への変身を遂げている。
業績面の進捗状況を見ると、売上高は計画を大きく上回り、また利益面でも計画に対して超過達成をしてきた。
最終年度の2017年3月期についても、今回発表された期初業績予想は、中期経営計画の業績計画に対して売上高は322百万円上回っている。
利益面では営業利益で15百万円、経常利益で30百万円がそれぞれ中期経営計画の業績計画に対して未達となる予想となっている。
この点については、後述するように、超過達成の可能性はあると弊社では考えている。
(3)注力事業
今中期経営計画の同社の動きから、同社が2つの事業領域を特に注力・強化を図るべきポイントと位置付けていることが、明確になってきたと弊社では考えている。
1つは英語教育であり、もう1つは教育へのICTの積極活用だ。
a)英語教育
同社はグローバル化の中で“読む・書く・話す・聞く”の4技能をバランス良く習得できる英語教育の重要性に、早くから注目してきた。
2013年10月のジー・イー・エヌの子会社化でその思いが具体的な形となり、幼児英語教育の「ズー・フォニック・アカデミー」を展開してきた。
また、2015年12月には海外留学専門予備校のリンゴ・エル・エル・シーを子会社化した。
詳細は後述するが、ズー・フォニック・アカデミーは世の中のニーズにぴたりとはまるゾーンをカバーしており、潜在成長性は非常に高い。
今後の課題は、質の確保と事業の拡大戦略をどう両立していくかにあると弊社では考えている。
もう1つの課題としては、ズーフォニック(幼児から小学生まで)とリンゴ・エル・エル・シー(大学生・社会人主体)との間(小学生~高校生)をつなぐ英語教育サービスの提供であると弊社では考えている。
城南コベッツなどは基本的に学校の授業対応であり、“読む・書く・話す・聞く”の4技能の習得に力点を置いているわけではないためだ。
この点が解決されれば、同社は授業系英語教育と、実践系英語教育の2つのラインをそろえることになり、業界内でもユニークな存在をアピールできるとともに、顧客層の拡大にも大きく貢献すると弊社では考えている。
b) ICTの活用
同社は教育におけるICT活用にも早くから取り組んできた。
映像授業の「マナビス」事業や、独自のeラーニングコンテンツなどがそれだ。
同社は、事業の拡大よりも教育の質の確保をより重要視しているが、この点は同社の重要な差別化要因となっていると弊社では考えている。
ただ、教育の質の確保は優秀な人材の確保によって実現されるという側面もあるため、人材不足の状況にあっては、同社の成長スピードが人材により抑制されることも起こり得る。
そうしたなかで、同社のICTの積極活用の姿勢は、質の確保と業容拡大とを両立させる有効な解決策となるのではないかと弊社では注目している。
ICTはまた、事業の地理的拡大の観点でも有効性が期待される。
弊社では、今年9月にリリース予定の「デキタス」に注目している。
これは2012年に子会社化した(株)イオマガジンと共同開発したeラーニング教材だ。
小中学生を対象とし、5教科対応・教科書対応の、学校の授業を着実に理解することを基本コンセプトとするものだ。
弊社では、デキタスの成功は、城南コベッツ、城南予備校への誘客のほか、法人販売という形でも収益貢献が期待できるのではないかとみている。
また、後述するように、スポーツ事業との間でのシナジー効果にも期待が高まっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
(2)中期経営計画の進捗状況
城南進学研究社 {{|0:}}は2015年3月期−2017年3月期の3ヶ年中期経営計画に取り組んでいる。
今中期経営計画では、少子高齢化社会という外部環境の中での競争に勝ち抜くために、1)社会環境の変化(ICT化、グローバル化など)にフレキシブルに対応し、顧客層の拡大を図る、2)サービスの専門性を高め、差別化を推進することで顧客満足度の向上を目指す、という2つを実行し、これらを通じて持続的成長を実現するとしている。
これまでの状況を振り返ると、グローバル化という点では、幼児英語教育事業のジー・イー・エヌや留学専門予備校の(株)リンゴ・エル・エル・シーの買収を行った。
また、ICT(Information and Communication Technology、情報通信技術)という点では、教育のICT化としてマナビス事業の拡大や電子黒板を活用した授業「@Active Loop」、eラーニング教材「デキタス」、スマホアプリである「わーどばんくの塔」など各種デジタル教材の投入を行っている(一部計画を含む)。
顧客層の拡大という点では、前述のように大学受験予備校が主体だったビジネスモデルから、幼児から大人までの垂直展開による“総合教育企業”への変身を遂げている。
業績面の進捗状況を見ると、売上高は計画を大きく上回り、また利益面でも計画に対して超過達成をしてきた。
最終年度の2017年3月期についても、今回発表された期初業績予想は、中期経営計画の業績計画に対して売上高は322百万円上回っている。
利益面では営業利益で15百万円、経常利益で30百万円がそれぞれ中期経営計画の業績計画に対して未達となる予想となっている。
この点については、後述するように、超過達成の可能性はあると弊社では考えている。
(3)注力事業
今中期経営計画の同社の動きから、同社が2つの事業領域を特に注力・強化を図るべきポイントと位置付けていることが、明確になってきたと弊社では考えている。
1つは英語教育であり、もう1つは教育へのICTの積極活用だ。
a)英語教育
同社はグローバル化の中で“読む・書く・話す・聞く”の4技能をバランス良く習得できる英語教育の重要性に、早くから注目してきた。
2013年10月のジー・イー・エヌの子会社化でその思いが具体的な形となり、幼児英語教育の「ズー・フォニック・アカデミー」を展開してきた。
また、2015年12月には海外留学専門予備校のリンゴ・エル・エル・シーを子会社化した。
詳細は後述するが、ズー・フォニック・アカデミーは世の中のニーズにぴたりとはまるゾーンをカバーしており、潜在成長性は非常に高い。
今後の課題は、質の確保と事業の拡大戦略をどう両立していくかにあると弊社では考えている。
もう1つの課題としては、ズーフォニック(幼児から小学生まで)とリンゴ・エル・エル・シー(大学生・社会人主体)との間(小学生~高校生)をつなぐ英語教育サービスの提供であると弊社では考えている。
城南コベッツなどは基本的に学校の授業対応であり、“読む・書く・話す・聞く”の4技能の習得に力点を置いているわけではないためだ。
この点が解決されれば、同社は授業系英語教育と、実践系英語教育の2つのラインをそろえることになり、業界内でもユニークな存在をアピールできるとともに、顧客層の拡大にも大きく貢献すると弊社では考えている。
b) ICTの活用
同社は教育におけるICT活用にも早くから取り組んできた。
映像授業の「マナビス」事業や、独自のeラーニングコンテンツなどがそれだ。
同社は、事業の拡大よりも教育の質の確保をより重要視しているが、この点は同社の重要な差別化要因となっていると弊社では考えている。
ただ、教育の質の確保は優秀な人材の確保によって実現されるという側面もあるため、人材不足の状況にあっては、同社の成長スピードが人材により抑制されることも起こり得る。
そうしたなかで、同社のICTの積極活用の姿勢は、質の確保と業容拡大とを両立させる有効な解決策となるのではないかと弊社では注目している。
ICTはまた、事業の地理的拡大の観点でも有効性が期待される。
弊社では、今年9月にリリース予定の「デキタス」に注目している。
これは2012年に子会社化した(株)イオマガジンと共同開発したeラーニング教材だ。
小中学生を対象とし、5教科対応・教科書対応の、学校の授業を着実に理解することを基本コンセプトとするものだ。
弊社では、デキタスの成功は、城南コベッツ、城南予備校への誘客のほか、法人販売という形でも収益貢献が期待できるのではないかとみている。
また、後述するように、スポーツ事業との間でのシナジー効果にも期待が高まっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)