[ヨハネスブルク 10日 ロイター] - 南アフリカで、ここ10年以上で最も深刻な停電が発生し、10日までに主要鉱山が相次ぎ操業を停止した。各地を襲った大雨と洪水のため国営電力大手エスコムの主要施設が被害を受けたため。同国の主要産業である鉱業資源の輸出が損なわれ、既に減速している景気が一段と悪化する恐れがある。
エスコムは10日、輪番停電を拡大する計画を発表した。メデュピ石炭火力発電所の障害のため9日は国内送電網で最大6000メガワットの送電カットを実施していた。
金鉱大手のハーモニー・ゴールド (J:HARJ)やシバニェ・スティルウオーター (J:SGLJ)、プラチナ採掘大手のインパラ・プラチナム (J:IMPJ)はいずれも、電力不足で9日以降に生産停止に追い込まれたと発表。地元メディアのEWNは10日、ラマポーザ大統領がエスコム幹部と協議するためエジプト訪問日程を切り上げたと報じた。
エスコムの操業責任者は別の国内メディアに対し、この危機は「対処可能だ」と述べた。しかしラマポーザ氏は声明で「この国のエネルギー問題は一夜で解決できるものではない」と表明した。
南アの鉱業業界団体によると、同産業の2018年の生産は3510億ランド(240億ドル)で、国内総生産(GDP)の約7%に相当する。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20191211T012820+0000