[ジャカルタ 18日 ロイター] - インドネシア中央銀行は18日、主要政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げた。利下げは今年3回目。追加緩和の可能性も示唆した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)の影響が広がる中、リセッション(景気後退)の危機に直面する経済を下支えする。
7日物リバースレポ金利は4.50%から4.25%に引き下げられ、2018年以来の低水準となった。ロイターのエコノミスト調査でも、25bpの利下げ予想が過半数を占めた。
翌日物預金ファシリティー金利(FASBI)と貸出ファシリティー金利も25bp引き下げられ、それぞれ3.50%、5.00%となった。
中銀は2020年の国内総生産(GDP)伸び率予想を2.3%から0.9─1.9%に引き下げた。
ペリー・ワルジヨ総裁は、あらゆる中銀の措置を引き続き「緩和的」にしていくと表明。オンライン会見で「全3要素、つまり低インフレ、GDP伸び率押し上げの必要性、小幅な経常赤字により、さらなる利下げ余地がある。タイミングは世界の情勢次第で、通貨ルピアの安定を維持できるかどうかが鍵になる」と述べた。景気は第2・四半期が底で、その後回復するとの見方を示した。
スリ・ムルヤニ・インドラワティ財務相は16日、新型コロナ対応の規制の影響で第2・四半期の国内総生産(GDP)が1999年以来のマイナスとなる前年比3.1%減となり、第3・四半期もマイナス成長になるになる可能性があると述べていた。
中銀の決定を受けルピア
ワルジヨ総裁はルピアは過小評価されており、年末に向けて上昇する可能性があると述べた。
インドネシア中銀は昨年、政策金利を1%ポイント引き下げ、今年は3回の利下げで計0.75%ポイント下げた。
キャピタル・エコノミクスのアナリスト、ギャレス・リーザー氏は「経済の見通しが極めて不振」であるため、向こう数カ月にかけて中銀は段階的な緩和を継続すると予想する。
バハナ証券のエコノミスト、サトリア・サンビジャントロ氏はさらに25bpの利下げを予想。第2・四半期の経済縮小ペースはシンガポールやタイで見込まれる2桁減と異ならない可能性があるとした。
同氏は「政策当局者が成長リスクを和らげる準備ができているという投資家の信頼を維持するために、利下げを中心とした中銀の対応が必要だ」と述べた。
バンク・ダナモン・インドネシアのエコノミスト、ウィスヌ・ワルダナ氏は、中銀は成長見通しを下方修正したが、中銀幹部らは新型コロナのパンデミックや金融市場混乱を巡る懸念の後退を指摘しているとしたうえで「年内にあと25bp利下げという予想は変わらない」と述べた。
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