[ロンドン 13日 ロイター] - 米政府が航空機大手エアバス (PA:AIR)への欧州連合(EU)の補助金に対する報復措置としての欧州製品への追加関税を維持すると決定したことを受け、英政府はシングルモルトウイスキーなどに対する報復関税の撤回を米政府にこれまで以上に強く働き掛けていく方針を示した。
米政府は12日、航空機補助金を巡るEUとの紛争で発動したエアバス製航空機に対する15%の関税と他の欧州製品に対する25%の関税を維持すると発表した。
トラス国際通商相は、米政府がちらつかせていた新たな関税賦課はなかったことは良かったとした上で、先週、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表と協議した際にウイスキー問題を取り上げており、今後この問題で米側への働き掛けを強める方針を示した。
同相の声明は「関税は双方の業界と市民生活に打撃を与えており、誰のためにもなっていない。できるだけ早期の撤回を目指し米との協議を強化していく」としている。
英は今年初めにEUを離脱し、米など主要国との自由貿易協定締結を急いでいるが、今もエアバス関連の報復関税の影響を受けている。
英スコッチウイスキー協会は、報復関税発動で対米輸出が30%減少し、雇用やサプライチェーンが危機に瀕していると表明、政府に業界支援拡大を求めた。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20200813T100121+0000