[22日 ロイター] - ミャンマーで22日、軍事クーデターに抗議するゼネストが全国各地で行われ、企業は営業を停止した。首都ネピドーでは警察がデモ隊の排除に乗り出した。
ソーシャルメディアに投稿された画像には放水車など警察の車両がデモ隊を分断しようとする様子が写っている。逃げる人たちを警官が追いかけ、何人かが地面にたたきつられている。
ある女性はフェイスブックに投稿した動画で「われわれは平和的に抗議しているだけなのに、警官は追いかけ逮捕しようとしている」と語った。
抗議行動のために何千人もの人が集結したヤンゴンには大量の治安部隊が配備された。
ミャンマー国営放送は反対派が若者らをあおって命の危険がある対立への道へ進ませようとしていると非難し、デモを中止するよう求めた。
作家で歴史学者のタン・ミン・ウー氏は平和的な解決の扉は閉ざされようとしていると指摘。「この先数週間の状況はこれまで多くの抗議行動をつぶしてきた軍の意思とデモ参加者の勇気・技術・決意によって決まる」と述べた。
地元の商店に加えて米ヤム・ブランズが運営するケンタッキー・フライド・チキンや、独食品配達サービス企業デリバリー・ヒーロー傘下のフード・パンダなどの国際企業も営業を停止した。
ミャンマー外務省は「(当局は)最大限自制している」との声明を発表した。国際社会からは軍の行動を非難する声が上がっているが、外務省は国内問題への介入は受け入れられないと一蹴した。
ブリンケン米国務長官は21日、クーデターへの抗議デモに暴力で対応するミャンマー国軍に「断固とした行動」を継続する考えを強調した。ツイッターに「われわれはミャンマー国民とともにある」と投稿した。
英・独・日・シンガポールも暴力を非難し、国連のグテレス事務総長は殺傷力の高い武器の使用は認められないと述べた。
ミャンマーの人権状況を担当する国連のトム・アンドリュース特別報告者は、政権によるデモ隊への警告を憂慮しているとツイッターに投稿した。
「(大規模な民主化運動が発生した)1988年と異なり治安部隊の行為は記録されており、責任を問われることになる」と指摘した。
*内容を追加しました。