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エネクス Research Memo(5):小売電力量が中期経営計画を突破し、電力事業が全社のけん引役に

発行済 2017-03-27 15:04
更新済 2017-03-27 15:33
エネクス Research Memo(5):小売電力量が中期経営計画を突破し、電力事業が全社のけん引役に
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■業績動向

3. 電力・ユーティリティ部門の動向
伊藤忠エネクス (T:8133)の電力・ユーティリティ部門の2017年3月期第3四半期(累計期間)業績は、売上高45,752百万円(前年同期比46.7%増)、売上収益44,060百万円(同43.5%増)、営業活動に係る利益5,070百万円(同35.5%増)、当社株主に帰属する四半期純利益2,566百万円(同35.7%増)と増収増益で着地した。


電力事業では、電力小売り販売量が前年同期を大きく上回った結果、利益の大幅増益へつながったとみられる。


2015年5月に発表された現行中期経営計画「Moving2016」の中で示された電力販売量の計画(実績値が発表された分はアップデート済み)を見ると、2017年3月期は総販売量を2,200GWh、うち小売販売量を1,700GWhとしていた。
2017年3月期第3四半期を終えた段階では、総販売量、小売販売量ともにこれらの計画数値を上回る実績となっているもようで、価格・利幅のみならず、販売量の面でも極めて順調に推移していることが読み取れる。


電力事業のポイントは電源調達と販路の確保に尽きるが、電源調達については、自社発電のうち風力発電は前年同期を上回る発電量を記録した。
一方火力発電は、JEPXでの卸売価格が低水準で推移したため、夜間の発電量をきめ細かく調整する運転を行った結果、前年同期を下回った。


販売面ではグループ内のLPガス販売会社との連携や社外のPPS企業との提携を通じて、低圧分野の顧客拡大に注力した結果、前述のように2016年12月末で約26,000件の低圧分野の契約を獲得した。
高圧分野でも顧客数が順調に拡大したもようで同社本体と子会社の王子・伊藤忠エネクス電力販売(株)(同社は60%出資)がいずれも小売販売量を伸ばし、前述したように中期経営計画を大きく上回る販売実績につながっている。


販売面での直近の進捗としては、カーライフ部門の日産大阪販売と共同で『車と電気のコラボレーション』事業を開始したことが挙げられる。
これは日産の自動車(特に電気自動車)を購入した客が同時に同社の「eコトでんき」(同社の電力小売ブランド)を契約すれば通常よりも割安な電気代となるもので、言わば自動車と小売電力のセット販売プログラムだ。
2017年1月からのスタートであるため、当面の業績インパクトは限定的と考えられるが、同社及び「eコトでんき」の認知度向上には一定の効果が期待される。


熱供給事業では夏場に東日本の平均気温が例年よりも高く推移したことや、秋冬に平均気温が前年を下回ったことが貢献し、熱需要が前年同期を上回った。
加えて原材料費が低下したことで、利益面では前年同期比で増益となった。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

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