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いちご Research Memo(2):不動産価値向上を図る心築事業を軸に3上場投資法人を運用・管理

発行済 2023-07-10 15:02
更新済 2023-07-10 15:15
© Reuters.
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*15:02JST いちご Research Memo(2):不動産価値向上を図る心築事業を軸に3上場投資法人を運用・管理 ■会社概要

1. 会社概要
いちご (TYO:2337)は、オフィス、商業施設、ホテル、レジデンスなど幅広いタイプの不動産を対象に、不動産価値向上ノウハウを駆使し、投資・運用を行う心築を強みとしている。
2002年11月に大阪証券取引所ナスダック・ジャパン市場(現 東京証券取引所(以下、東証)グロース市場)に上場。
その後2015年11月に東証1部に昇格した(現在は東証プライム市場へ移行)。
また同社は、不動産価値向上技術・ノウハウを軸にオフィス、ホテル、再生可能エネルギー発電施設の3つの投資法人(いちごオフィスリート投資法 (TYO:8975)、いちごホテルリート投資法人 (TYO:3463)、いちごグリーンインフラ投資法人 (TYO:9282))を運用・管理するユニークな企業グループである。
同社はすべての事業において社会貢献を目指しており、心築事業における環境負荷低減やクリーンエネルギーの創出など本業を通じた貢献に加え、Jリーグのトップパートナーとして地域活性に参画するほか、「RE100」や「国連グローバル・コンパクト」に加盟するなど多面的な活動を通じて、サステナブルな社会の実現に力を注いでいる。


2. 事業内容
同社の事業セグメントは、アセットマネジメント事業、心築事業、クリーンエネルギー事業の3つである。
アセットマネジメント事業は、いちごオフィスリート投資法人、いちごホテルリート投資法人、いちごグリーンインフラ投資法人及び自社グループで運用する不動産私募ファンドに対し、案件の発掘や供給、運営・管理に加え、心築により物件価値を向上し、投資主価値の最大化を図る。
2023年2月期の売上高は全社の6.2%(内部売上高を除く)、営業利益は17.9%と利益に貢献している。
心築事業は不動産保有期間の賃料収入を享受しつつ遵法性の治癒や耐震補強、稼働率改善などによってテナント満足度の向上を通じた賃料の向上を図り、不動産価値を高めて売却することで高い売却益を得る。
2023年2月期の売上高は全社の86.1%(同)、営業利益は70.3%を占める同社の大黒柱である。
2017年3月設立のいちごオーナーズの業績もこのセグメントに属し、優良立地の新築レジデンスを取得して短期間(1年以内)でリーシングを完了し、外部の投資家や新規事業である不動産小口化事業(「いちご・レジデンス・トークン」「いちごオーナーズビルシェア」)へ物件を売却・供給している。
セグメント収益をけん引するまでに成長した。
クリーンエネルギー事業は太陽光を主とした再生可能エネルギー発電を行う事業であり、2023年2月期の売上高は全社の8.4%(同)、営業利益は11.9%と安定した利益を稼いだ。


同社の収益構造にはストック収益とフロー収益があり、どちらもバランスよく成長してきた。
ストック収益として、保有資産の賃料収入、発電所の売電収入、アセットマネジメント(AM)のベース運用フィーなどがあり、2023年2月期実績で15,598百万円(前期は14,912百万円)と、同社の固定費(固定販管費+支払利息)の約2倍に相当する。
フロー収益は主に心築事業における不動産譲渡益である。
2023年2月期は13,371百万円(前期は9,793百万円)であり、コロナ禍からの回復基調が鮮明になってきた。
またストック収益が余裕を持って固定費をカバーできており、コロナ禍以外にも不況期などによりフロー収益が落ち込む時期においても物件を売り急ぐ必要がない点が同社の強みとなっている。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

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