ロシアとサウジアラビアが、来年も原油を協調減産をすることで合意したことを受けて、アジア時間月曜午前の取引で原油価格は高騰した。
プーチン露大統領とサウジのムハンマド皇太子は、アルゼンチンでのG20首脳会議に合わせて会談を行い、原油生産を調節する既存の枠組みを継続することで合意した。両国は、世界トップ3に入る産油国である。
日本時間午後4時56分時点におけるニューヨークマーカンタイル取引所の1月限WTI原油先物は、5.22%上昇し1バレルあたり53.59ドルとなった。ロンドンインターコンチネンタル取引所の2月限ブレント原油先物は、4.84%上昇し1バレルあたり62.34ドルとなった。
ロシアとサウジアラビア間の合意は、OPECやロシアなどのその他産油国を含むOPEC+(非加盟産油国)にとって指針となるものである。
G20での会談で、プーチン氏とムハンマド氏は原油の協調減産を継続することで合意したものの、具体的な減産量は言及していない。
プーチン氏は「生産量に関する最終合意には至っていないが、サウジアラビアと共同で減産を行っていく。我々は原油市場を注視し、迅速に対処していく」と述べた。
今回の合意は12月6日のOPEC総会に先立って行われた。OPEC総会ではロシアを中心とした非加盟産油国が参加する予定である。OPEC総会では過剰供給の影響を最小限に抑えるために、減産を発表することが予想されている。原油の過剰供給は、わずか2ヶ月で原油価格の3分の1の下落を引き起こした。
フィッチソリューションズによると「過剰供給と需要の低迷を解決するために協調減産が行われる」と予想しているとのこと。
過剰供給を解決することは難しい。米国では1150万バレル/日まで供給量が上昇しており、記録的な水準になっている。供給量は来年もさらに増加しているだろう。
ドナルド・トランプ米大統領は、産油国に圧力をかけることで、原油価格のさらなる下落を望んでいる。
G20では他にも、米国と中国が追加関税を90日間猶予し歩み寄って交渉していくことで合意した。この合意は原油価格上昇の要因となった。