[東京 25日 ロイター] - 東京地検特捜部は25日、統合型リゾート施設(IR)事業への参入を巡る収賄容疑で秋元司衆院議員(自民党を離党)を逮捕した。同容疑者は18年10月まで内閣府副大臣としてIRを担当していた。
東京地検によると、秋元議員は、日本でのカジノを含むIRへの参入を目指していた中国企業から現金300万円を受け取ったほか、70万円相当の利益供与を受けていた。東京地検は同時に、秋元議員への贈賄容疑で3人を逮捕した。
複数の国内メディアによると、東京地検特捜部は事件の関係先として、千葉県印西市にある自民党の白須賀貴樹衆院議員の事務所を捜索した。
秋元議員は2004年に初当選。第1次安倍・福田内閣では防衛大臣政務官に任命され、その後、環境副大臣や内閣府副大臣などを務めてきた。
16年12月には、衆院内閣委員会の委員長として一部の野党が退席する中でIR推進法案の採決を行い、法案の成立につなげた。
17年8月から18年10月までは国土交通省と内閣府の副大臣を務め、IRの政府に関する事務を担当する大臣を補佐した。
<菅官房長官、早期のIR整備「着実に進めたい」>
菅官房長官は午前の定例会見で、秋元議員逮捕の報道についてはまだ承知していないとし、「今回の件がIRと関係するかどうかも含めて捜査機関の活動内容に関わる事柄であることから、答えは控えたい」と述べた。その上で「いずれにせよ、政府としては、できるだけ早期にIR整備による効果が実現できるよう、着実に進めていきたい」との考えを示した。
さらに菅長官は、IRに関して、事業者と政府関係者の接触に関するルールは特に定められておらず、「一概に禁止されるものではない」と説明。ただ、政務三役については「行政の中立性や国民の信頼に配慮ながら、個別の状況に応じて適切に判断すべき」と語った。
<野党、閉会中審査求める>
野党はこの問題を国会で厳しく追及する構えで、立憲民主党は閉会中審査を求めていく方針。また、共同通信によると、立憲民主党などの野党3党は、秋元議員の逮捕を受け、カジノ営業を禁じる法案を来年の通常国会に提出する方針で一致した。
*内容を追加しました。