■今後の展望・課題
1. 中期経営計画
児玉化学工業 (T:4222)は 最終年度の2021年3月期に連結売上高 31,500百万円、営業利益1,500百万円を掲げた中期経営計画を進めていたが、インドネシアからの撤退に伴い、目標値を売上高23,200百万円、営業利益を1,300百万円に修正した。
当初の3ヶ年をPhase1「収益拡大による財務基盤の強化を行う収穫期と次なる成長への種まき時期」、後半2 ヶ年をPhase2「次なる成長の展開時期」とする一方、具体的な事業展開の方針と重点施策として、1)ASEAN地域での収益拡大と財務基盤強化、2)ものづくり構造改革による収益力強化、3)ダイバーシティ推進及びグローバル人材育成とグローバル運営体制──を挙げ、数字の修正はしながらも、基本的なビジョンは変えていない。
過去に大規模な投資を行ない、結果としてそれが収益を圧迫した格好だが、インフラは整っている分、需要がある製品を生み出せば、その分、収益に大きく貢献する。
会社側では、財務体質の改善を進めるとともに、これからが投資を回収する時期とみており、実際、それに向けての期待の新製品も登場してきた。
もともとの強みである真空成形/プレス成形を生かしたガラス繊維マットプレス工法による自動車部品金属代替への展開、三次元加飾工法による高度加飾分野への展開に代表される高付加価値な製品体系への変革がそれだが、実際に、これら新工法によって生み出された製品が開花しつつある。
2. 新技術への期待、今後の課題
将来的に期待が大きいのが、ガラス繊維マットプレス工法による自動車部品金属代替、三次元加飾工法による高度加飾分野への展開だ。
ガラス繊維マットプレス工法の新製品は、トヨタ自動車の「レクサス」に標準装備され、技術の高さを示すとともに、製品に対する信頼度が高まった。
それによって、自動車向けはもとより、自動車以外の分野からも引き合いが出始めており、収益源としての期待が大きくなっている。
三次元加飾工法による高度加飾分野においても、同じくトヨタ自動車の「カムリ」への標準装備によって、現実に収益へ貢献している状況だ。
中でも、ガラス繊維マットプレス工法は、炭素繊維とのハイブリッド化のニーズが期待できるものであり、この先、自動車はもとより、幅広い分野で用途が拡大することは想像に難くない。
中期計画の目標達成に向けて、収益の柱になると考えられる。
一方、海外では、需要が回復しているタイが海外事業における当面の稼ぎ頭になりそうな状況。
さらに、今後という意味では、ベトナムも期待できる地域と言える。
東南アジア、中国については総じて、自動車にしてもウォシュレットにしても、同社がメーカーに部材として供給する製品は、これまでにない新たな需要となるだけに、これまで同社が実施してきた投資について、回収が十分見込めるだろう。
とりわけ、ウォシュレットについては、東南アジアのトイレは文字どおり“手洗い”の文化であるため、製品として受け入れやすい。
新規事業については、現在、年間数億円の売上規模だが、自動車、住宅設備機器に続く、第3の柱を構築させたい考え。
将来的には介護用浴槽設備や車いす用テーブルなど、医療、介護など将来性に期待が大きい分野に力を注ぐ意向だ。
■情報セキュリティ対策について
三菱ケミカルホールディングスグループでは、「情報セキュリティ委員会」のもと、グループ全体で情報セキュリティの確実な維持・管理をしており、同社もその中で情報セキュリティ対策を行っている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
1. 中期経営計画
児玉化学工業 (T:4222)は 最終年度の2021年3月期に連結売上高 31,500百万円、営業利益1,500百万円を掲げた中期経営計画を進めていたが、インドネシアからの撤退に伴い、目標値を売上高23,200百万円、営業利益を1,300百万円に修正した。
当初の3ヶ年をPhase1「収益拡大による財務基盤の強化を行う収穫期と次なる成長への種まき時期」、後半2 ヶ年をPhase2「次なる成長の展開時期」とする一方、具体的な事業展開の方針と重点施策として、1)ASEAN地域での収益拡大と財務基盤強化、2)ものづくり構造改革による収益力強化、3)ダイバーシティ推進及びグローバル人材育成とグローバル運営体制──を挙げ、数字の修正はしながらも、基本的なビジョンは変えていない。
過去に大規模な投資を行ない、結果としてそれが収益を圧迫した格好だが、インフラは整っている分、需要がある製品を生み出せば、その分、収益に大きく貢献する。
会社側では、財務体質の改善を進めるとともに、これからが投資を回収する時期とみており、実際、それに向けての期待の新製品も登場してきた。
もともとの強みである真空成形/プレス成形を生かしたガラス繊維マットプレス工法による自動車部品金属代替への展開、三次元加飾工法による高度加飾分野への展開に代表される高付加価値な製品体系への変革がそれだが、実際に、これら新工法によって生み出された製品が開花しつつある。
2. 新技術への期待、今後の課題
将来的に期待が大きいのが、ガラス繊維マットプレス工法による自動車部品金属代替、三次元加飾工法による高度加飾分野への展開だ。
ガラス繊維マットプレス工法の新製品は、トヨタ自動車の「レクサス」に標準装備され、技術の高さを示すとともに、製品に対する信頼度が高まった。
それによって、自動車向けはもとより、自動車以外の分野からも引き合いが出始めており、収益源としての期待が大きくなっている。
三次元加飾工法による高度加飾分野においても、同じくトヨタ自動車の「カムリ」への標準装備によって、現実に収益へ貢献している状況だ。
中でも、ガラス繊維マットプレス工法は、炭素繊維とのハイブリッド化のニーズが期待できるものであり、この先、自動車はもとより、幅広い分野で用途が拡大することは想像に難くない。
中期計画の目標達成に向けて、収益の柱になると考えられる。
一方、海外では、需要が回復しているタイが海外事業における当面の稼ぎ頭になりそうな状況。
さらに、今後という意味では、ベトナムも期待できる地域と言える。
東南アジア、中国については総じて、自動車にしてもウォシュレットにしても、同社がメーカーに部材として供給する製品は、これまでにない新たな需要となるだけに、これまで同社が実施してきた投資について、回収が十分見込めるだろう。
とりわけ、ウォシュレットについては、東南アジアのトイレは文字どおり“手洗い”の文化であるため、製品として受け入れやすい。
新規事業については、現在、年間数億円の売上規模だが、自動車、住宅設備機器に続く、第3の柱を構築させたい考え。
将来的には介護用浴槽設備や車いす用テーブルなど、医療、介護など将来性に期待が大きい分野に力を注ぐ意向だ。
■情報セキュリティ対策について
三菱ケミカルホールディングスグループでは、「情報セキュリティ委員会」のもと、グループ全体で情報セキュリティの確実な維持・管理をしており、同社もその中で情報セキュリティ対策を行っている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)