[ワシントン 8日 ロイター] - イエレン米財務長官は8日、米商業用不動産市場の低迷によって、一部金融機関が一段のストレスにさらされ、損失が生じることが予想されるものの、銀行システムへのシステミックリスクにはならないとの考えを示した。上院銀行委員会の公聴会で語った。
規制当局は、新型コロナウイルス禍後の大都市オフィスビルの空室率上昇やローン借り換え金利上昇によるリスクに対処するため銀行と協力していると説明した。
「評価額は下がっており、それに伴うストレスや損失が発生するのは明らかだ」と指摘した。
「これが銀行システムへのシステミックリスクにならないことを願っており、信じている。大手銀行のエクスポージャーはかなり低いが、こうした動きによってストレスを受ける中小銀行があるかもしれない」と述べた。
ニューヨーク・コミュニティ・バンコープを巡る状況には言及しなかった。同行は先週発表した第4・四半期決算が商業用不動産向け融資の貸倒引当金を追加計上した影響で最終赤字に転落し、株価が大幅に下落した。
イエレン氏はまた、暴風雨や火災など、気候変動に絡むリスクが増大する中、保険の欠如や保険料の上昇に懸念を表明した。
イエレン氏は6日の下院金融サービス委員会公聴会でも商業用不動産リスクは管理可能との考えを示していた。