[東京 10日 ロイター] - ドル/円 JPY= ユーロ/ドル EUR= ユーロ/円 EURJPY= 正午現在 118.47/49 1.1338/42 134.33/37 午前9時現在 118.58/60 1.1323/27 134.28/32 NY午後5時 118.62/64 1.1323/25 134.33/37
正午のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、小幅にドル安/円高の1 18円前半。仲値にかけて実需のドル買いが散見されたが、仲値通過後は、米国債償還に 絡むドル売り/円買いが流入し、上値が抑えられた。
商業決済が集中する五・十日にあたるこの日は、仲値にかけてドルは一時118.6 6円付近まで強含んだ。しかし、仲値を通過すると、今月半ばの米国債償還を控えたドル 売り/円買いが流入し、上値の重さが意識された。
豪ドルは、中国1月のCPIが予想を下回る結果となったことで、いったん0.77 93米ドルまで売り込まれたが、切り返して反発し、一時0.78米ドル前半まで上昇し た。 ドル/円は、当初、豪ドル安/米ドル高の波及効果でいったん強含んだものの、豪ド ルが切り替えして上昇すると、ドル/円の上値は一段と重くなった。
中国国家統計局が発表した1月の消費者物価指数(CPI)は、前年比で0.8%上 昇した。ロイターが集計した予想は1.0%上昇だった。
<ギリシャとドイツの「ゲームの理論」>
ユーロは1.1322―1.1341ドルのレンジ内で小幅な値動きとなった。
ギリシャ問題に暗雲が立ち込める中、為替市場では、ユーロ売りがいまひとつ盛り上 がらない。ユーロショートが既に相当規模で積み上がっているため、ポジションの巻き戻 しによる反発が警戒されているという。
市場の一部では、派手な発言が目立つギリシャのバルファキス財務相が注目されてい る。 経済学者で、ケンブリッジ大やテキサス大でも教鞭をとった同相は、「ゲーム理論 」に精通しているという。 同理論では、各プレーヤーが、相手のほしいものを理解し、それに応じて最適な戦略 を取り合っている状態を「ナッシュ均衡」と呼ぶが、ギリシャとドイツがナッシュ均衡に 至り最終的な解を求められるかが注目される。
バルファキス財務相は8日、ギリシャがユーロ圏を離脱すれば他の国が追随し、ユー ロ圏は崩壊するとの見解を示した。 一方、ドイツのショイブレ財務相は9日、ギリシャの新政権が同国への国際支援プロ グラムの合意から離脱した場合、金融市場にどのような影響があるか懸念していると述べ た。
<G20>
トルコのイスタンブールで開催されているG20・中央銀行総裁会議の声明草案によ れば、G20は金融及び財務政策の継続的なレビューと必要に応じた断固たる措置を求め る。 また、各国はこれまでの為替レートへのコミットメントを維持し、保護主義には反対 したことが明らかになった。さらに、強い成長が見込まれる一部の主要国では、政策正常 化を許容する条件が整いつつある、との認識を示した。
市場の声明草案に対する反応は限定的だった。
(森佳子)