[上海 18日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)が15日、銀行の預金準備率を25ベーシスポイント(bp)引き下げると発表したことについて、アナリストは、引き下げ幅が小幅で人民銀行がインフレや米金融引き締めを懸念している可能性があると指摘している。
預金準備率の引き下げは広く予想されていたが、下げ幅は通常の50bpや100bpではなく、25bpにとどまった。人民銀行は15日、中期貸出制度(MLF)金利の引き下げを見送っている。
ゴールドマン・サックスのアナリストは「今回の相対的に保守的な措置の背景には重要な要因があるとみられる」と指摘。他国が金利を引き上げる中、預金準備率引き下げの波及的効果を懸念しているようだとの見方を示した。
他のアナリストも、人民銀行が中国からの資本流出という波及効果を懸念しており、利下げを実施すれば、波及効果が増幅されるとの懸念があると指摘した。
ゴールドマンのアナリストは、中国経済は信用需要が少なく、インフレ見通しが不透明で、人民銀行は利下げしても効果は限られると懸念しているようだとの見方も示した。
こうした懸念要因が近く解消される見込みは薄く、アナリストは利下げや追加の預金準備率引き下げはないと予想。20日の最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)引き下げの可能性は低いと分析している。
財政政策や、再貸出・再割引など的を絞った金融緩和で景気を押し上げる方向に傾いている可能性があるという。
シティのアナリストは、20日に1年物LPRが小幅に5bp引き下げられる可能性は残っているとしながらも、人民銀行は利下げではなく、与信の拡大を優先するとの見方を示した。
複数の関係筋によると、中国の金利規制当局は中小銀行に対し、預金金利の上限を10bp引き下げることを推奨している。