31日の香港市場は値下がり。
主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比136.50ポイント(0.52%)安の26312.63ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が84.58ポイント(0.82%)安の10240.51ポイントとそろって3日続落している。
ハンセン指数は約1カ月半ぶりの安値水準を切り下げた。
売買代金は1030億2400万香港ドルとなっている(30日は1243億9600万香港ドル)。
投資家の慎重スタンスが持続する流れ。
新型コロナウイルス感染による肺炎患者の拡大に歯止めがかからないなか、当局の対策を見極めたいとするスタンスが漂っている。
中国発の新型肺炎を巡っては、世界保健機構(WHO)が昨夜、「国際的な公衆衛生上の緊急事態」を宣言。
市場では、「各国の取り組みが強化され、拡大阻止に向かって協力体制が築ける」と評価する声が上がっているものの、収束には時間を要するとの見方が少なくない。
一方、国家統計局などが公表した1月経済指標では、製造業PMIが予想通りだったうえで、非製造業PMIは予想に反し前月から上向いている。
ただ、モルガンスタンレーは最新リポートで、「1月のPMIには新型肺炎の影響がそれほど織り込まれていない」と指摘。
肺炎流行が早期に収束したと仮定しても、中国の第1四半期GDPは0.5~1.0ポイント押し下げられると予測した。
指数は中国指標などを好感しプラス圏でスタートしたがものの、指数の上値は重く、売りの勢いが徐々に増している。
ハンセン指数の構成銘柄では、石油・化学大手の中国石油化工(サイノペック:386/HK)が2.4%安、医薬品メーカーの石薬集団(1093/HK)が2.3%安、石炭最大手の中国神華能源(1088/HK)が1.9%安、中国政府系インベストメント会社の中国中信(CITICリミテッド:267/HK)が1.8%安と下げが目立った。
セクター別では、エネルギー関連が安い。
上記した中国石油化工や中国神華能源のほか、中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が1.7%、中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が1.2%、昆侖能源(クンルン・エナジー:135/HK)が3.6%、港華燃気(タウンガス・チャイナ:1083/HK)が3.4%、華潤燃気HD(華潤ガス:1193/HK)が3.1%、中国燃気HD(中国ガス:384/HK)が1.8%ずつ下落した。
中国保険セクターもさえない。
中国太平洋保険集団(2601/HK)が1.9%安、中国人寿保険(チャイナライフ:2628/HK)が1.7%安、中国太平保険HD(966/HK)が1.6%安、中国人民保険集団(人保集団:1339/HK)と中国平安保険(2318/HK)がそろって1.4%安で引けた。
半面、半導体セクターはしっかり。
華虹半導体(1347/HK)が1.7%高、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が1.6%高、ASMパシフィック・テクノロジー(522/HK)が1.3%高と値を上げた。
一方、本土市場は本日まで春節休場。
取引再開は週明け2月3日となる。
【亜州IR】