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欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋りか、米ロ関係の行方を注視

発行済 2018-10-22 17:25
更新済 2018-10-22 17:40
欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋りか、米ロ関係の行方を注視
22日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を予想したい。
イタリア財政懸念の一服などによる欧州通貨の買い戻しがドルを下押しする見通し。
また、米国とロシアの核廃棄に関する問題が新たに浮上し、両国関係の行方を警戒したムード(円買い要因)も広がりやすいだろう。



週明け22日のアジア市場のドル・円は、上海総合指数の大幅高や日経平均株価の反発を好感。
また、米株先物が持ち直し、今晩の米株高を期待したドル買い・円売りに振れた。
前週の高値112円73銭(18日)を上抜けつつあり、節目の113円を目指す展開となりそうだ。
ただ、国内の実需筋によるドル買いが弱まれば、欧米市場では手がかり材料が乏しいため、ドルの上昇は限定的となるだろう。


前週ユーロ売り要因となったイタリア財政問題は、欧州連合(EU)がイタリアに対し財政に関する考え方を説明するよう求め、同国の連立与党は一時意見の食い違いもあったが、結束してEUと協議する見通し。
また、ブレグジットに関しても、英国内での政治リスクは否めないものの、英国のEUからの合意なき離脱シナリオはいったん回避された。
このため、ユーロとポンドは買い戻しが続き、ドルの上昇を抑えるだろう。


一方、米国のトランプ大統領が、1987年に当時のソ連(現ロシア)と調印した中距離核戦力(INF)廃棄条約を順守するようロシアに求め、条約破棄も辞さない構えをみせている。
サウジアラビアの政権に批判的な記者の失踪事件に関し、同国と蜜月関係のトランプ大統領は自身への批判をかわす狙いもあるだろう。
ただ、貿易面だけでなく軍事面での大国間の対立との見方から、警戒の円買いに振れる可能性も想定したい。
(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・21:30 米・9月シカゴ連銀全米活動指数(予想:0.22、8月:0.18)


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