[ダブリン 5日 ロイター] - アイルランド中央銀行は5日に発表した四半期経済報告で、2023年のインフレ予想を引き上げる一方、成長見通しを3四半期連続で下方修正した。ただ、来年下半期には可処分所得の圧迫は緩和するとも予想した。
調整後国内需要(MDD)について、来年は2.3%拡大すると予想。今年については6.4%拡大に修正した。上半期に一時的となる公算が大きいながらも大規模な投資増が見込まれるためという。
前期の23年MDD予想は4.2%拡大だった。その後、エネルギー価格上昇でインフレ圧力がより長期的に持続したことから、来年のインフレ率予想は4.2%から6.3%に、今年は7.8%から8%にそれぞれ引き上げられた。中銀はその上で、インフレ見通しになお上振れリスクがあり、成長予想には下振れリスクがあるとした。
四半期報告は「こうした情勢により、家庭と企業がより必要性の少ない支出や投資を見送り、今冬から来年にかけての経済成長ペース見通しが低迷するとみられる」と分析した。
中銀は、エネルギー危機により今年の平均実質家計所得は3.3%減少する公算が大きいと予想。これは10年余ぶりの減少率。ただ、来年は賃金が5.8%上昇する予想で、下半期に影響の緩和が始まる見込みとした。
一方、財務省は来年のMDD伸び率予想を1.2%としている。