[東京 19日 ロイター] - ドル/円 JPY= ユーロ/ドル EUR= ユーロ/円 EURJPY= 正午現在 119.97/99 1.1294/98 135.50/54 午前9時現在 119.91/93 1.1322/26 135.77/81 NY午後5時 119.97/99 1.1313/15 135.74/78
正午のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ変わらずの119円後半。 118円台の買いの厚みと、120円台の売り需要の強さに挟まれ、方向感の乏しい、極 めて小幅な値動きとなった。反発に陰りが見え始めたユーロ/ドルでは今夜の独ZEW景 気期待指数が注目されている。
ドルは朝方の120.04円を高値として、その後はじり安の展開。ただ、119. 90円を下回る水準では小規模の買いが流入し、結果的に狭いレンジでの一進一退となっ た。 ドル/円相場では、118円台では公的資金を含め、対外証券投資に積極姿勢をみせ る投資家の買いオーダーが相当規模で並んでいるとされる。一方で、120円台では輸出 勢の売りや個人投資家の利益確定売りニーズが厚い。
こう着感を強めるドル/円以外では、売買材料に対するドル反応に変化がみられると いう。
「ドルの金利が上昇しているが、それがドル高に結びつかず、一方で、株価は最高値 更新するといった、これまでとは違うパターンになっており、嵐の前の静けさという感じ がする」とFXプライムbyGMO常務取締役、上田眞理人氏は言う。 まずは「米国の利上げがもう少しはっきり見えてこないと、ドル買いにはつながらな い」と上田氏はみている。
一方、豪ドルは、豪中銀の理事会議事録の内容が伝わると、0.7994米ドル付近 から、0.7956米ドル付近まで下落したが、正午までに0.7988米ドル付近まで 反発している。 豪中銀理事会議事録では、同理事会が5月に利下げするか6月まで待つか討議したこ とが明らかになった。また、同理事会は、豪経済成長がトレンドを下回り、高水準の失業 率が長期化するとの認識を示したうえで、経済のリバランスに向けて、豪ドルは下落する 必要があり、下落が見込まれるとの予想を明らかにした。
<ユーロは独ZEW待ち>
ユーロは1.13ドルを挟んだ小幅な値動きとなった。 この日は5月の独ZEW景気指数の発表が予定されており、市場予想では現況指数が 前月の70.2から69.5に低下、景気期待指数は前月の53.3から49.0まで低 下する見込みだ。 「前月ZEWが悪化した時は材料視されなかったが、今回は期待指数が悪化すれば素 直にユーロ安になる公算が大きい」と、マネックス証券シニア・ストラテジストの山本雅 文氏は言う。 同氏は、ユーロの反発が止まり再び下落トレンドに向かうか、現時点で判断するのは 時期尚早としながらも、中長期的には、QEの持続的効果が表れずユーロ圏のファンダメ ンタルズが悪化して、再びユーロ安に戻るとみている。
前日ユーロは高値1.1450ドル付近から1.1298ドル付近まで急落し、「E CBトレードの巻き戻しは大方終わった」(外銀)との声も上がっていた。
市場では、ギリシャのデフォルト懸念が再浮上し同国債価格が急落。財政状況が極め て厳しいことに加え、経済改革に消極的なことから、6月に期限を迎える国際通貨基金( IMF)への融資返済を危ぶむ見方が強まった。
IMFはギリシャによる6月5日の債務支払いは困難と認めており、同国に追加支援 を早急に行う意向はないとの内部メモが伝わったことが、国債価格を圧迫した。 ギリシャ2年国債利回り GR2YT=TWEB は一時24.56%まで上昇し、3週間ぶりの 高水準をつけた。
<SF連銀論文>
前日の外為市場では、米サンフランシスコ(SF)地区連銀が論文で、米経済は第1 ・四半期の国内総生産(GDP)が示唆するほど弱くないとしたことが話題となり、一部 のディーラーによると、同論文が米長期金利の押し上げ要因になったという。
先月発表された第1・四半期の米GDP速報値は年率換算で0.2%増にとどまり、 市場予想も大きく下回った。
だが論文は、政府の季節変動要因の勘案の仕方について一連の統計を修正した結果、 「年初来の米経済のすう勢は発表されている数値をはるかに上回る十分な可能性がある」 と分析した。論文のチャートは第1・四半期GDPが1.8%増に近いことを示唆してい る。これは潜在成長率より低いが、大幅に下回る水準ではない。
同連銀のウィリアムズ総裁は、12日に、「緩やかな金利引き上げの方が安全な道筋 にみえる」と述べ、そのためには「少し早い」利上げの開始が必要になるとし、6月を含 めてすべての会合で利上げの可能性があるとの見方を示した。 市場では、「(前日発表された)論文はSF連銀のスタンスを裏付けるために作られ たもの」(市場筋)との冷めた見方も出ていた。
ニューヨーク市場では、米10年国債利回り US10YT=RR が一時2.2426%まで 上昇し、14日以来の高水準となった。同利回りは前週末に2.1320%まで低下して いる。 午後零時15分時点で、同利回りは2.2355/2.2337%の気配。
(為替マーケットチーム)