[東京 9日 ロイター] - 日経平均 .N225 終値 16085.44 -918.86 寄り付き 16666.79 安値/高値 16025.94─16668.7
TOPIX .TOPX 終値 1304.33 -76.08 寄り付き 1352.89 安値/高値 1299.53─1352.94
東証出来高(万株) 317335 東証売買代金(億円) 30556.14
東京株式市場で日経平均は大幅反落。前日比で一時978円安となり、昨年来安値を付け た1月21日以来の安値水準となった。欧州銀行株の大幅な下げを受け、リスク回避ムー ドが強まったという。1ドル115円割れへと進んだドル安/円高も株売りに拍車をかけ た。TOPIXは1月21日の昨年来安値を下回り、一時2014年10月31日以来の 1300ポイント割れとなった。東証33業種すべてが下落。東証1部の98%が値下が りし、全面安の展開となった。
前日の欧州市場でドイツ銀行 DBKGn.DE など欧州金融株が軒並み下落。STOXX欧 州600銀行株指数 .SX7P は5.59%低下した。米国市場でもS&P金融株指数<.SPS Y>が2.6%安。欧米金融株を受けて東京市場では序盤から銀行や証券、ノンバンクなど 金融セクターに売りが出た。
三菱UFJ 8306.T 、三井住友 8316.T 、みずほ 8411.T などメガバンクがいずれも 昨年来安値を更新。銀行業 .IBNKS.T は13年1月以来の安値水準となった。10年最長 期利回りがマイナス0.01%を付けたことを受け、運用環境の悪化などに対する懸念が 広がったことも重しとなった。野村 8604.T やアコム 8572.T なども軒並み売られた。
世界的にリスクオフの動きが強まり、質への逃避として円買いが強まったことも日本 株に逆風となった。ドル/円 JPY=EBS は一時114.20円と14年11月10日以来 、約1年3カ月ぶりの安値をつけた。輸出企業を中心に業績悪化懸念が強まり、トヨタ<7 203.T>やパナソニック 6752.T 、ソニー 6758.T などの下げが目立った。
株価の急激な下落を受けて投資家心理が冷え込み、日経平均ボラティリティ指数<.JN IV>は急上昇。一時1月21日以来となる43ポイント台を付けた。日経平均VI先物は サーキット・ブレーカーが発動し、午後0時36分から同0時46分まで一時売買停止と なった。
いちよしアセットマネジメント執行役員の秋野充成氏は「欧州を中心に金融システム 不安に発展するとの懸念がリスクオフを加速させ、投機筋の売りに拍車がかかっている」 と指摘。一方、日銀による追加緩和期待などが下支えし、「日経平均1万6000円より 下値は売り込みにくい」とみていた。
個別銘柄では、神戸物産 3038.T がストップ安。同社株をめぐり、神戸物産関係者に よるインサーダー取引が行われた疑いがあるとして、証券取引等監視委員会が金融商品取 引法違反容疑で、神戸物産や同社関係者宅を強制調査していたことが報じられ、嫌気され た。
半面、通期業績予想の上方修正を発表した関電工 1942.T や東急建設 1720.T のほか 、チケット価格の値上げを発表したオリエンタルランド 4661.T などが逆行高となった。
東証1部騰落数は、値上がり27銘柄に対し、値下がりが1904銘柄、変わらずが 6銘柄だった。
(杉山容俊)