東京金は依然としてレンジ相場です。
一時は、4478円まで上昇しましたが、引けではレンジ内に戻り、その後もレンジをキープです。
NY金は、FOMCの議事録発表後に下落となっています。
マーケットは、FOMCでは6月、7月の利上げの話は進んでいないとみていましたが、実際にはFOMCで利上げが議論されていたのが議事録でわかり、NY金相場は崩れました。
しかしながら、依然としてマーケットは実際に利上げされるかには懐疑的で、下落は続きませんでした。
最新のCFTCの建玉明細では、買いが増えて買いポジションが積みがったままです。
買い越しは1000トンを超えており、新たな買い勢いは難しいでしょう。
ICBCスタンダードバンクの池水氏によると、ドル建ての金が高い状態で、現物の買いはさっぱりとのことで、それにもかかわらず価格が高値で推移できているのは明らかに投機筋の買いが要因です。
しかし、上述しましたが、買い余力はあまりなく、逆に積み上がったポジションの解消が懸念されます。
NY金は上昇トレンドになるのはむずかしく、レンジを下に抜けてきたことから、上値は重くなるでしょう。
ジョージソロスが金のコールオプションの買いを増やしたとの情報がありましたが、これもいわゆる投機筋、ファンドです。
投機筋は必ず差金決済してきます。
価格が上がらず成績が振るわないと決済してくるでしょう。
結論と売買戦略
結論としては、為替もあり東京金はレンジでのもみあいが続くと見ています。
しかし、CFTCをみるとNY金の下落が懸念されるため、中期的にはレンジの下に抜けてくるでしょう。
NY金は、ここ1~2週間で一目均衡表の雲が薄くなる部分を迎えます。
雲のねじれや薄くなる部分は価格の変化が起きやすく、この時期にはちょうど米国の雇用統計の発表があるため、注意が必要です。
戦略としては、東京金はレンジの上限付近で売るのが良いと思われます。
売り玉をもっている人はポジションを保有したまま、いまはまだ売り玉を増やすリスクは控えた方が良いでしょう。
ただし、レンジの下限付近にきたら手仕舞い、レンジ上限にきたらまた売りという戦略も良いでしょう。
レンジを下抜けすると追随売りも良いでしょう。
今週末はサミット、来週は米国の雇用統計があります。
これらの重要イベントにも備えておきましょう。
当記事は、「セントラルマーケットコラム~経済金融・コモディティ~」からの転載です。またコラムでは、経済金融、貴金属のスペシャリストによるコラムも掲載しております。こちらもぜひご覧ください。
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