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アングル:日銀会合直後の為替介入、1年半前の再現巡り思惑急浮上

発行済 2024-04-24 17:40
更新済 2024-04-24 17:45
© Reuters.  4月24日、為市場でドル買いの勢いが止まらない。写真は円紙幣。2022年9月撮影(2024年 ロイター/Florence Lo)

Shinji Kitamura

[東京 24日 ロイター] - 為市場でドル買いの勢いが止まらない。日銀の利上げペースは緩慢とのシナリオで投機筋が動いており、ドルは節目の155円乗せ寸前まで迫った。市場の一部では、日銀の金融政策決定会合の当日に政府が市場介入した過去のパターンが繰り返される可能性がある、との思惑も出ている。

<日銀総裁会見終了直後、円買い介入>

政府・日銀は2022年9月22日、日銀会合の当日に円安進行を受けて24年ぶりの円買い介入に踏み切った。

市場では、当時と今回の会合を重ね見るような声が聞かれる。いずれも、円が歴史的な安値圏へ下落した重要局面で迎える会合となり、市場の事前予想は政策据え置きという共通点がある。

前回は正午前に日銀が政策の維持を発表すると、ドルは145円半ばまで1円近く上昇し、24年ぶり高値を更新。続いて当時の黒田東彦総裁が「緩和を当面続けることに全く変わりはない」などと会見で発言すると、夕方に145円後半までさらに上昇した。円買い介入が入ったのは、その直後だった。

バンク・オブ・アメリカ主席日本為替金利ストラテジストの山田修輔氏は、今回の日銀会合後にドルが155円乗せを試し、円買い介入が行われるシナリオを描く。

「円安は物価への影響を通じて政策に影響を及ぼし得る、と日銀はすでに明言しており、円高へ振れるには同様の内容では不十分。6月にも利上げを行う必要性が高まっているなどといった発信が必要となるが、日銀が急にタカ派転換するとは思えない」という。

<個人は介入待ち、過去最大の円買い>

日銀会合後の介入をにらみ、短期売買が活発な個人投資家は、短期的な収益獲得を目論んでドル売りを大きく膨らませている。トレイダーズ証券市場部長の井口喜雄氏によると「個人のドル売り比率は現在7割と異例の高水準で、その規模も過去最大級に達している」といい、同業他社も似たような状況だという。

一方、輸入企業のドル買いも目立ってきた。

大手銀の為替営業担当者が明かす。「介入時にドルを安く仕込もうと下値で待ち構える向きが多かったが、なかなか入らずドルの押し目もないため、諦めて上値で買いに動き始めた。(長期の為替予約が消失する)ノックアウトも付き始めている」。

多くの個人が介入後のドル買い戻しを狙い、押し目を待ちわびた輸入企業も相次ぎドルの手当てに動くとなれば、介入はドルの格好の拾い場となる。「大きく広がった日米金利差が縮小する兆しも見えない状況では、介入効果は一時的なものとなりかねない」(外銀アナリスト)との声がすでに出ている。

<外部環境、前回介入時と真逆>

前回の大規模介入後、ドルは翌年1月に127円台まで反落した。過去最大の円買い介入がドル高地合いの転機となった形だが、市場では年末にかけて台頭した米国の利下げ観測が、ドルを本格的に押し下げる要因になった、との見方が一般的だ。

ふくおかフィナンシャルグループ・チーフストラテジストの佐々木融氏は、米国で利下げ期待が後退してドルが買われている現状は「当時と環境が真逆」と指摘する。

ドル買いが失速する要素が乏しい中で「円買い介入が効果を上げているように見せるのは難しい」として、155円乗せ直後の介入には否定的な見方を示している。

(基太村真司 編集:橋本浩)

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