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為替週間見通し:ドルは下げ渋りか、日銀緩和持続で円売り継続も

発行済 2023-12-23 14:28
更新済 2023-12-23 14:30
© Reuters.
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*14:28JST 為替週間見通し:ドルは下げ渋りか、日銀緩和持続で円売り継続も 【今週の概況】
■日銀金融緩和維持でドルは下げ渋る

今週のドル・円は下げ渋り。
日本企業による米製鉄会社買収の発表や、フーシ派の攻撃警戒でタンカー大手などが紅海通航を見合わせたことによる原油先物の反発を受けて米ドル買い・円売りが優勢となった。
その後、日本銀行は12月18-19日開催の金融政策決定会合でマイナス金利の解除を見送り、植田日銀総裁は会見で早期の政策修正に慎重な姿勢をみせたことから、米ドル買い・円売りが加速した。
しかし、米国金利の先安観は後退せず、米長期金利は伸び悩んだことから、リスク選好的な米ドル買いは縮小した。


22日のニューヨーク外為市場でドル・円は、一時142円を下回ったものの、その後142円66銭まで戻した。
この日発表された米国の11月コアPCE価格指数は市場予想を下回る前年比+3.2%にとどまったことなどを受けて、リスク回避の米ドル売り・円買いが活発となった。
ただ、11月耐久財受注速報値は市場予想を上回ったことや米長期金利の反転を受けて米ドル売り・円買いは縮小し、米ドル・円は142円50銭でこの週の取引を終えた。
ドル・円の取引レンジ:141円87銭-144円96銭。


【来週・再来週の見通し】
■ドルは下げ渋りか、日銀緩和持続で円売り継続も

来週・再来週のドル・円は下げ渋りか。
米連邦準備制度理事会(FRB)による早期利下げ観測が広がっているが、日本銀行による緩和修正期待は大幅に後退し、リスク選好的な円売りがただちに縮小する可能性は低いとみられる。
FRBは今月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で、想定通り政策金利の据え置きを決定。
また、金融当局者による金利見通しによると、市場は早ければ来年3月の利下げを想定している。
FRB内では今後の政策方針についての見解は一致していないため、一部メンバーから早期利下げに否定的な見解が提示された場合、ドルを買い戻す動きが広がりやすい。


一方、日本銀行は直近の金融政策決定会合で、現行の大規模緩和政策を堅持。
「年末から来年にかけて一段とチャレンジング」との植田日銀総裁の国会答弁を受けたマイナス金利の早期解除観測は大幅に後退した。
この結果を受けて米ドル以外の主要通貨に対する円売りが観測されており、この動きがドルをサポートするとみられる。
ただ、ドルの上値の重さは消えていないため、ドル・円相場で明確な方向感は出にくい。


【米・12月ISM製造業景況指数】(1月3日発表予定)
1月3日発表の12月ISM製造業景況指数は今回も節目の50を下回る見通し。
景況感の早期改善は期待できないため、市場予想を下回った場合、ドル売りが強まる可能性がある。


【米・12月雇用統計】(1月5日発表予定)
1月5日発表の12月米雇用統計で非農業部門雇用者数は11月実績を下回る見込み。
そのため、市場予想とおおむね一致してもドル売り要因となる。
12月失業率は若干の上昇が予想されている。


予想レンジ:140円00銭-145円00銭


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