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エネクス Research Memo(8):各部門において成長への布石が順調に進捗

発行済 2017-09-26 15:18
更新済 2017-09-26 16:00
エネクス Research Memo(8):各部門において成長への布石が順調に進捗
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■伊藤忠エネクス (T:8133)の中期経営計画と進捗状況

2. 2018年3月期第1四半期の主な進捗
新中期経営計画の定量計画は前述したとおり。
2018年3月期第1四半期を終えた段階では従来予想から変更はない。


2018年3月期第1四半期における各事業セグメントの進捗と今後の見通し、注目ポイントは以下のとおり。


(1) ホームライフ部門
今第1四半期の大きな進捗として、LPガスの卸売・小売事業における、大阪ガスとの事業統合がある(2017年8月3日付リリース)。
両社は50%ずつを出資して合弁会社(株)エネアークを設立し、そこに両社の関東・中部・関西地域を営業圏とするLPガス販売会社の株式を移管するという構図だ。
それ以外の地域は従来どおり、それぞれの企業が事業を継続することになる。
この統合に際して同社は大阪ガスの子会社日商LPガス(株)が保有するLPガス販売会社3社の株式を譲り受ける。
この再編統合は2017年10月1日付でスタートする。


合弁会社エネアークの収益は持分法による投資損益として取り込むことになる。
同社が採用する会計基準IFRSにおいては税引前利益の直前に入ってくるため、売上高、営業活動に係る利益は、統合前に比べて減少することになる。
この点について弊社が取材で確認したところ、今回の経営統合による収益への影響は期初予想に織り込み済みとのことだ。


弊社では今回の事業統合は、同社にとってはベストに近い組み合わせだと考えている。
今回の事業等を決断した背景には、世帯数減少や他エネルギーとの競合激化という厳しい経営環境の存在がある。
その厳しい競争環境を生き抜くうえで、大阪ガスの知名度やブランド力を生かせることは大きいと考えている。
同社は直販のLPガス顧客35万軒を擁し、そこにLPガスと電気のセット割引で攻勢をかけていることはこれまで説明してきた。
今回の統合で大阪ガスの直販顧客18万軒が加わることになる。
これらを対象に今後、電気を初めとして様々な関連商材を販売していくことが予想され、今後の展開が大いに注目される。


(2) 電力・ユーティリティ部門
発電分野については、前期において風力発電の設備の一部を売却する一方、将来に向けてバイオマス発電事業も視野に入れて取り組みを強化するとしていることが表明されている。
また、今年10月には関西電力との共同出資(50%ずつ)による仙台パワーステーション(株)(仙台PS)の石炭火力発電所が稼働してくる。
8月時点では設備は完成済みで試運転を行っている最中であり、10月には予定どおり商業運転がスタートする見通しだ。


一方販売面でも顧客基盤の拡大に向けた取り組みが動いている。
同社の電力の小売販売はバランシンググループ(BG)を形成して顧客開拓を進めてきた。
これまでBGによる顧客開拓が順調に進捗してきているのは前述のとおりだが、それに加えて同社は、2016年7月に(株)エネクスライフサービスを設立した。


エネクスライフサービスは電力小売りにおける代理店販売を統括する組織だ。
BGにおいては、各メンバーは新電力(PPS)としての登録が必要になる。
顧客との関係ではメンバー企業それぞれが契約主体となる。
一方、代理店契約ではPPSの登録などは不要で、契約主体は同社となる。
2016年にグループ企業の日産大阪において、自動車販売の顧客に対して電力を販売する「車と電気のコラボレーション事業」がスタートしたが、これは日産大阪販売が代理店1号となり始めた事業だ。


弊社ではエネクスライフサービスの今後の動きに非常に注目している。
代理店方式による電気販売業への期待が理由の1つだがそれだけではない。
エネクスライフサービスの位置付けは“法人企業のお客様向け生活関連の支援事業会社”とされている。
簡単に言えば生活関連の商材を売る事業を他の法人とともに展開する事業の統括会社ということだ。
「車と電気のコラボレーション事業」の例にあるように、電力と様々な商材と組み合わせて販売していくものとみられるが、それにとどまらず、通信やその他の領域の商材を取扱っていくことが予想されている。
今後の新たな商材・サービスの動向が注目される。


同部門のもう1つの事業である熱供給事業では、銀座に新たにオープンした大型商業施設GINZA SIXに対する熱供給事業がスタートした。
この事業は東京電力 (T:9501)から子会社の東京都市サービス(株)(TTS)を買収(持分66.6%)して進出した事業だ。
そうした経緯もあり豊富な実績と高い競争力を有していることから今回の案件獲得につながった。
GINZA SIXへの熱供給に関して同社は約50億円規模の設備投資を行ったとみられ、中期経営計画2年間で計画する450億円の投資の重要なピースの1つが今第1四半期にはめ込まれたことになる。


(3) 生活エネルギー・流通部門
CS関連事業では、不採算CSの撤退が継続的に実施されている。
これは全社ベースで進める資産の最適化に資するとともに、今第1四半期決算で見られたように、CS事業として経費節減、収益性向上という目に見える形で表れてきている。


CS事業ではまた、「カースタ」ブランドのもと、レンタカーや車の買取り、保険、修理などの車関連事業の深耕を進めている。
これまで散発的に行ってきたサービスを統一ブランドのもとで展開し、収益力と効率性を高めようという試みだ。
その第1弾としてレンタカー事業の「カースタレンタカー」が今第1四半期にスタートした。


(4) 産業エネルギー・流通部門
今第1四半期の主な進捗として、は船舶燃料事業において配給船の新造があった。
新造船は博多港に配備され、全国7隻体制で国内の船舶燃料の安定配給体制構築を目指していく方針だ。


産業エネルギー・流通部門における戦略的・新規取り組み案件としては、環境リサイクルビジネスやバイオジェット燃料プロジェクトへの参画が挙げられる。
前者は再生油やフライアッシュの事業で、収益ビジネスとしての本格スタートの直前にまで迫っている。
後者については、同社はユーグレナ (T:2931)の事業パートナーの1社として国産バイオ燃料計画に参加してきたが、2017年6月の第三者割当増資を引き受け、2019年の実証プラント稼働に向けて関係・取り組みの強化方針を明確にした。
いずれも今後の更なる進捗が待たれるところだ。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

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