以下が、本日の米国市場で注目の3ポイントである。
1. 生産者物価指数(PPI)、失業保険申請件数
予想の上昇幅を下回った昨日のコアCPIに続いて、卸売物価のインフレ指標が本日発表される。
日本時間午後9時30分に、米国労働省は生産者物価指数(PPI、3月)を発表する。
コンセンサス予想ではPPI は0.3%の上昇と見込まれている。
不安定な食料・エネルギー価格を除いた コアPPIは0.2%上昇したと予想されており、前年同期比では 2.4%へとなる見込みだ。
米労働省は同時に週次の新規失業保険申請件数も発表する予定だ。
先週1969年以来の最低水準まで低下した新規失業保険申請件数は、、21万1000件増となる見込みだ。
2. 市場はストリーミングサービス「Disney+」の詳細を切望
本日予定されているウォルト・ディズニー・カンパニー (NYSE:DIS)のインベスターデイは市場からの注目を集めている。このイベントに先駆けて、2つの証券会社は同社の投資判断を格上げしている。
SGコーエン社は9日、ディズニー株を格上げし「11日のインベスターデイは、投資家心理を改善するだろう」と述べている。
10日には、BMO社もアウトパフォームするという見立てからレーティングを引き上げている。
市場参加者から注目を集めているのは、近日リリースされるDisney+の詳細である。同サービスはディズニーのアニメ映画の古典やスターウォーズシリーズを揃え、Netflix (NASDAQ:NFLX)と肩を並べるとみられている。
市場はコンテンツについて良い評価をしているものの、価格設定などより詳細な情報を求めている。
同社は先日買収したフォックスとの統合状況についても発表する予定だ。新エリアの「Star Wars: Galaxy’s Edge(スターウォーズ:ギャラクシーズ・エッジ)」が5/31にカリフォルニアディズニーランドでオープンすることが予定されている。
インベスターデイは日本時間12日午前6時に予定されている。ディズニー株は10日に0.26%上昇し、今年6.85%の上昇を見せている。これは ダウ平均株価 構成銘柄中20番目に良いパフォーマンスである。
3. FOMCメンバーら続々と講演
本日のFOMC議事要旨発表に続き、連邦準備理事会メンバーらによる講演が次々と予定されている。
日本時間午後10時30分、国際金融協会主催のワシントン政策サミットにて連邦準備理事会の副総裁リチャード・クラリダ氏が米国の経済観測と金融政策について発言する。
日本時間午後10時35分、ニューヨーク連邦準備銀行会長ジョン・C・ウィリアムズ氏の講演が予定されている。
また日本時間午後10時40分に、セントルイス連邦準備銀行会長ジェームス・B・バラードの講演が予定されている。
続いて、日本時間金曜午前3時にミネアポリス連邦準備銀行会長ニール・カシカリ氏がツイッターにて質問に回答していく予定である。
日本時間金曜午前5時に、連邦準備制度理事会理事ミシェル・W・ボウマン氏がサンフランシスコにて“イノベーションの時代におけるコミュニティーバンク(Community Banking in the Age of Innovation)”と題した演説を行う予定。
そんな中、連邦準備制度理事会議長ジェローム・パウエル氏がバージニアで行われる民主党党員集会に出席するものの、市場を動かすような発言はしないとみられている。