[10日 ロイター] - 米ミネソタ州で黒人男性ジョージ・フロイドさんが白人警官による暴行で死亡した事件を契機として広がった人種差別や警察への抗議活動を受け、米メディア業界がコンテンツの見直しを迫られている。
AT&T (N:T)傘下のワーナーメディアが展開する動画配信サービス「HBO Max」は、アカデミー賞受賞作「風と共に去りぬ」(1939年)の配信を取りやめた。
同社は「残念だが、この作品には人種差別的な表現が含まれている。そうした表現について説明も非難もせず、配信を続けることは無責任だと考えた」と述べた。広報担当者によると、時代背景や人種差別的描写に関する議論を経て、配信再開となる見通しという。
同作品はジョージア州のプランテーションを舞台に、ヒロインであるスカーレット・オハラの半生を描き、第12回アカデミー賞では作品賞など8部門を受賞。メイドを演じたハティ・マクダニエルは黒人として初めてオスカー(助演女優賞)に輝いた。
一方、米メディア大手バイアコムCBS
この番組は1989年に放送が開始され、リアリティ番組の先駆けとされてきた。しかし警察の暴力行為を描写せず、法の執行機関を美化しているという批判もあった。
有色人種の人権団体からは、この決定を評価するとともに、他のメディア各社に対しても、犯罪や警察を描いた問題のあるコンテンツの放送などを取りやめるよう要請する声が上がっている。