執筆:Yasin Ebrahim
Investing.com – S&P500種株価指数は、連邦準備制度理事会(FRB)のFOMC会合を前にハイテク株に更なる売り圧力がかかったことで、日中の上昇から反落してマイナス圏で取引を終えた。
S&P 500は1.2%下落。ダウ工業株30種平均は、日中約800ポイント下落した後、0.2%、66ポイント下落して取引を終えた。ナスダックの下落幅は2.3%だった。
FRBは火曜日から2日間、FOMC会合を開催する。FRBは政策金利を据え置くと予想されるが、最近の積極的な金融引き締めを後押しする内容となるか、市場関係者は動向を注視している。
投資家は「パウエル議長がインフレ・リスクの高まりを警戒し、テーパリングの早期終了に関して何らかの意思表示をするかどうか」を注視していると、Aptus Capital Advisorsのポートフォリオ・マネージャー、John Luke Tyner氏は2日、Investing.comとのインタビューで語っている。もしFRBが 「バランス・シートの縮小による金融引き締めを行うかどうか、何らかの計画を示唆すれば、それは大きな意味を持つだろう」と警戒する。
FRBのタカ派的な政策への期待から、米国債利回りは上昇傾向にあり、米国10年債利回りは一時1.8%をうかがい、銀行など金利感応度の高いセクターのパフォーマンスを下支えしている。
Zions (NASDAQ:ZION)、Discover Financial Services (NYSE:DFS)、American Express (NYSE:AXP)が金融セクターの上昇を牽引し、後者は売上と収益の両方で市場予想を上回る四半期決算を発表し、上昇が加速した。
American Expressは、売上高121億5000万ドル、1株当たり2.18ドルの予想を上回る四半期収益を計上し、市場予想である1.87ドルと115億ドルを大きく上回った。
一方で、東欧や中東の地政学的緊張が高まる中、供給途絶への懸念からエネルギーは3%以上の上昇。
エネルギーや金融などのシクリカル銘柄の上昇と対称的に、ハイテク株などのグロース株は、金利上昇の環境下で下落傾向が続く可能性がある。
しかし、高収益と強固なバランス・シートを誇るクオリティの高いハイテク企業は、今後安定感を取り戻すかもしれない。
「金利の上昇は、収益力のない企業に影響を与えるかもしれないが、MicrosoftやAppleのような企業や真にクオリティの高い成長企業にとって、米国10年債利回りが1.5%になろうが2%になろうがあまり重要ではないだろう」とTyner氏は分析する。
Microsoft (NASDAQ:MSFT)は、市場引け後に予定されている四半期決算を前に2%以上下落した。同社のクラウド事業であるAzureは、第4四半期の業績を押し上げると予想されている。
ドイツ銀行の分析レポートによると「Azureのモメンタムの継続とM365の追い風を受け、今期も堅調な業績が見込まれる」と期待が伺える。
International Business Machines (NYSE:IBM)は、Kyndrylの売上に牽引された部分もあるが、売上と収益の両方で市場予想を上回り、株価は5%以上上昇した。
その他の決算ニュースとしては、General Electric (NYSE:GE)はサプライ・チェーンの混乱が業績を圧迫し、市場予想を下回る収益を発表して6%下落した。
一方、Johnson & Johnson (NYSE:JNJ)は、売上がアナリストの予想を下回り、四半期業績は強弱交じる内容となったが、同社はコロナウイルス用ワクチンにより2022年に30億ドルから35億ドルの売上が見込まれると予想している。同社の株価は2%以上上昇。