[東京 5日 ロイター] - 日経平均 .N225 前場終値 18735.28 +31.68 寄り付き 18658.16 安値/高値 18655.36─18767.5
東証出来高(万株) 95184 東証売買代金(億円) 10590.99
前場の東京株式市場で日経平均は3日ぶりに反発した。前日の米国株安を嫌気し朝方は売 りが先行したものの、先高期待が根強く切り返した。取引時間中に為替がドル高/円安方 向に振れたことも支えとなった。もっとも今晩の欧州中央銀行(ECB)理事会や週末の 米雇用統計の発表など重要イベントを控え、上値は限られた。TOPIXも反発した。
直近の株高で一部テクニカル指標が過熱感を示すなか、寄り付き後には利益確定売り が先行し、日経平均は一時1万8600円台半ばまで下落した。だが、前日に日銀がET F(上場投資信託)買いを実施していたことや、公的年金、海外勢などの日本株買いへの 期待など、需給面での安心感から買いが入り、プラス圏に浮上した。
「押し目を買いたい投資家は多く、下押す印象も少なかった。ただ、ECB理事会や 米雇用統計を控えており、見極めの姿勢も強い」(日本アジア証券・エクイティストラテ ジストの清水三津雄氏)という。
原油先物価格の上昇を背景に石油関連株が買われたほか、医薬品関連が堅調。武田薬 品工業 4502.T 、小野薬品工業 4528.T が昨年来高値を更新した。米国市場でヘルスケア 関連株に関心が向かったことなどが好感されたという。中国では全人代が開幕し、201 5年の国内総生産(GDP)伸び率を7%前後とするなどの経済目標が伝わったが、市場 の反応は限定的だった。
個別銘柄では、4日に海外向け日本コンテンツチャンネル事業の拡大に向け新会社を 設立すると発表したスカパーJSATホールディングス 9412.T が小幅高。ゴールドマン ・サックス証券が4日付レポートで投資判断を「買い・コンビクション」から「中立」に 引き下げた楽天 4755.T は売り一巡後に買いが入り、プラス圏で午前の取引を終えた。
東証1部の騰落数は、値上がり1001銘柄に対し、値下がりが671銘柄、変わら ずが187銘柄だった。
(長田善行)