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平和不動産リート投資法人 Research Memo(5):投資口の流動性向上を推進

発行済 2023-08-08 14:25
更新済 2023-08-08 14:45
© Reuters.
8966
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*14:25JST 平和不動産リート投資法人 Research Memo(5):投資口の流動性向上を推進 ■中長期の成長戦略

1. 中長期目標「NEXT VISION」
平和不動産リート投資法人 (TYO:8966)では、2021年11月期より中長期目標「NEXT VISION」を推進している。
具体的には、今後5~10年で目指す姿を「投資口の流動性向上を推進するステージ」と位置付け、「Steady Growth & Sustainable Profit(着実な成長と持続可能な利益)」をスローガンに、従来からの分配金と資産規模に加えて、格付とESGを目標に加えた。
数値目標としては、分配金3,300円/口(2021年5月期比500円増)、資産規模3,000億円(同1,159億円増)、AA格への格上げ、再生可能エネルギー電力の導入割合100%の達成を目指す。
進捗状況としては、資産規模拡大と財務体質改善により2022年6月に格付がAA-(安定的)に向上して目標を達成したほか、再生可能エネルギー電力への移行についても2021年11月に対象106物件すべてについての切り替え手続きを完了し、ESGへの取り組みで追加目標としたGRESB(グローバル不動産サステナビリティ・ベンチマーク:Global Real Estate Sustainability Benchmark)の3スター取得も達成した。
また、分配金は3,160円/口(2023年5月期)、資産規模は2,210億円(同)と着実に成果を上げている。
資産規模の拡大ペースが目標に比べてやや遅れているように見えるが、同REITでは無理をせずに自然体での拡大を目指す方針だ。
なお、「NEXT VISION」における分配金向上については、外部成長で+167円/口、内部成長で+155円/口、金利等費用で-20円/口を見込むが、潤沢な内部留保を活用することで4,941円/口の支払余地があることが同REITの大きな強みと言えよう。


2. 外部成長戦略
外部成長戦略では、「着実かつ健全な外部成長」「継続的な入替戦略の実施」「厳選された用途・エリア」を運用方針としている。
「着実かつ健全な外部成長」としては、ポートフォリオの質と収益性の向上に資する物件に厳選投資し、スポンサーと協働することで開発など多様な手法による取得機会の拡大を図ることに加え、フリーキャッシュ及び借入余力を活用した機動的な物件取得を行う。
「継続的な入替戦略の実施」としては、低収益で成長が期待できない物件や小規模レジデンスを優良なオフィスやレジデンスに入れ替えるなど、引き続きポートフォリオの収益力改善を図る。
「厳選された用途・エリア」としては、優良なオフィス及びレジデンス双方への厳選投資や、東京都区部をメインエリアとしながらも平和不動産のサポートが得られる地方大都市にも厳選投資する方針だ。
スポンサーである平和不動産との協業により、借地権のデメリットを克服し、メリットを最大限に享受できるスキームを構築できるのが強みである。
なお、2023年6月に3年連続となる公募増資を実施し、スポンサー以外の第三者からの物件取得も行っている。
公募増資によって資産規模の増加、DPUやNAVの成長、LTVの引き下げを推進し、レバレッジを活用した成長余力の確保を目指しており、戦略は順調に進展している。


3. 内部成長戦略
内部成長戦略では、「高稼働率の維持・向上」「賃料増額に向けた取り組み」「戦略的な資本投下」「付帯収入増加と費用削減」を運用方針としている。
「高稼働率の維持・向上」としては、スポンサーやPM(プロパティ・マネジメント)会社と連携し適切かつタイムリーなリーシング施策の実施によるテナント需要の取り込み、良質な運営・管理、CS(顧客満足度)対応施策によるテナント退去の防止、ダウンタイム(空室期間)の短縮などを目指す。
「賃料増額に向けた取り組み」としては、リノベーション工事により物件競争力強化と資産価値の維持向上に努め、テナント入替時及び契約更改時における賃料増額や是正を推進する。
「戦略的な資本投下」としては、物件競争力、収益性及びCS向上につながるバリューアップ工事を計画的に実施する。
こうした施策の着実な実現によって、オフィス及びレジデンスともに稼働率はコロナ禍前の水準に回復し、高位安定で推移しており、賃料改定も大きく進展している。


4. 財務戦略
財務戦略では、「財務基盤の強化」「LTVのコントロール」「資金調達手段の多様化」「金融コストの低減」を運用方針とする。
「財務基盤の強化」としては、有利子負債の長期化、固定化及び満期の分散化を進めることで市場金利変動の影響を受けにくい財務基盤を構築することに加え、AA格の高い信用力を活用した調達コストの引き下げと長期安定投資家の拡大を目指す。
なお、格上げに伴い日本銀行、地域金融機関など幅広い投資家層への訴求力の向上、投資口の流動性改善、投資口価格への好影響が期待される。
「LTVのコントロール」としては、金融環境に左右されない安定した物件取得、ポートフォリオと収益の持続的な拡大を図る。
「資金調達手段の多様化」を図り、公募増資によるエクイティ調達、幅広い業態からなるレンダーフォーメーション、投資法人債等、様々な性格の資金へのアクセスを構築する。
また、現在の低金利環境が将来にわたって寄与するよう、「金融コストの低減」を図る。
借入金の返済期限の分散を構築しており、十分なコミットメントラインと手許現金(合計150億円)で、不測の事態に十分に備えている。


5. サステナビリティ
サステナビリティについては、従来よりESGウェブサイトの拡充やESGレポートの作成などに取り組んでいる。
2022年実施のGRESB評価では、6年連続で「Green Star」を取得し、リアルエステイト評価において同REITとして初の3スターを取得した。
また、ESG情報開示の充実度を測るGRESB開示評価においても、最高位となる「A」を取得した。
海外投資家は3スター以上を投資対象にする場合が多いことから、重要なステップと言えよう。
Environment(環境)への取り組みとしては、再生可能エネルギー電力の導入割合100%を「NEXT VISION」の1つに掲げ、2021年11月期に達成したが、今後取得する物件についても順次切り替えを進める。
また、同REITの資産運用会社である平和不動産アセットマネジメントは、2021年12月に民間主導による気候関連財務情報の開示に関するタスクフォースであるTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)の提言に対する賛同を表明し、2022年7月には気候変動のリスク・機会による事業へのインパクトについてTCFDシナリオ分析を実施して、定性的な影響を開示している。
一方、Social(社会)への取り組みとしては、災害救援・寄付型自動販売機の設置やペットボトルキャップの回収運動などに加えて、サステナビリティ方針実践のためにDEI(多様性(Diversity)・公平性(Equity)・包摂性(Inclusion)の略)推進ポリシーを制定した。
さらに、資産運用会社では、経済産業省及び日本健康会議が健康経営に取り組む優良な法人を認定する健康経営優良法人制度において、「健康経営優良法人2023」に認定された。
これらのサステナビリティへの積極的な取り組みは、ESG投資(ESGに配慮している企業を重視・選別して行う投資)の世界的な拡大傾向に対応する活動と評価できる。


弊社では、同REITが特化する東京都区部をメインとする市場は投資機会が豊富にあることから、今後も同REITの潜在的な成長力は高いと評価する。
東京都区部では、主なテナント層である中小規模の事業所数が集中し、オフィスビルに対して引き続き豊富な需要がある。
また、東京都はコロナ禍に伴うテレワーク普及などにより2021年に25年ぶりに人口減少に転じたが、コロナ禍の収束に伴い再び人口増加傾向となっており、居住用マンションについても堅調な需要が見込まれる。
さらに、強力なスポンサー・サポートの活用によって、着実な成長戦略の推進が可能であると弊社では見ている。
すなわち、平和不動産の保有・開発物件、仲介物件、先行取得物件等の情報ソースを活用したり(外部成長サポート)、情報の共有化によって稼働率の向上を図ったり(内部成長サポート)、財務方針、資金調達等のかかる支援や指導を仰ぐ(財務サポート)などが、同REITの大きな強みである。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)

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